次の危機でドル円相場は60円へ:ゴールドマン

ゴールドマン・サックスが、次の危機到来時のドル円相場を予想している。
邦銀の海外債券投資が急速に逆回転を始めるためだという。


今回は60円まで行く。
日本の金融システムにはドルに対して積みあがった莫大なレバレッジが存在する。

ゴールドマンのBernhard Rzymelka氏が円高に身構えているとBloombergが伝えている。
過去の円高局面には、米民主党政権の口先介入のあった1995年の1ドル79円台、リーマン危機・大震災後の2011年の75円台がある。
ゴールドマンはそこからさらに2割程度の円高、足元から45%もの円高を見込んでいるというのだ。

ドル円相場
ドル円相場

「マクロ側については、ドル円が主たるツボだと考えている。
FRBが通常を超えた刺激策を採用した前回に起こったことを前提とし、もしもFRBがゼロ金利まで利下げしたら(ドル円は)どこまで行くかとみんなに聞いて回っている。」

ジメルカ氏が比較の対象としているのは2011年の75円であろう。
この時の水準を2割も上回る円高は本当に起こるのか。
同氏の意見に対しては、妥当な反対意見もありえよう。

大震災の特殊要因
2011年の円高はFRBの金融緩和のみで起こったものではない。
同年3月の東日本大震災も大きな要因であった。
また、当時まで米経済は回復途上であり、日米での為替協調介入の合意が取れなかったことが大きく効いている。

見るべきはどこの金利差か
ドル円相場に影響を及ぼすといわれる金利差はどのような期間のものか。
かつては2年ものの金利差と言われた。
為替ヘッジは短期でなされることが多いから、2年ものというのは一応すんなり理解できるところがある。
(1年ものは政策金利の影響を受けすぎる。)
しかし、各国が非伝統的金融政策を採るようになると、2年もの金利差の説明能力が低下し、長期金利差で説明される局面も見られた。
FRBがゼロ金利政策に戻っても、長期金利差は短期金利差ほどには縮小しないだろう。
問題は、どの金利差が効いてくるかだ。

ジメルカ氏がここまでの円高予想をする根拠は、日本の金融機関が積み上げた海外債券投資だ。
これらについては為替リスクのヘッジが十分になされていないと心配する声もある。
仮に予想外に大きな円高が起これば、ヘッジなしの海外債券投資が大きな為替損を被り、回収を余儀なくされてしまう。
円への殺到が起これば、さらに円高が進むという構図だ。

FRBが利下げしQEをほのめかすようになる場合、人々が気付いているよりはるかに大きなダウンサイド・調達ストレスが日本のシステムに加わることになる。


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