榊原英資教授:金融緩和は賞味期限切れ

構造改革の限界

榊原教授は、アベノミクスの方向性に疑問を抱いている。
進捗がはかばかしくない本丸、成長戦略についても、その効果は限定的なのだという。

「構造改革も、日本経済にはもうそれほど強い規制は残っていないんですよ。
細かい規制はあるでしょうけど、それを除いたから効果がある、ということを実証している人はいません。」



確かに、成長戦略を話し合っているとされる審議会や政府のアピールには説得力に欠けるところがある。
具体例として紹介されるアイテムが、効果の規模という意味でささやかすぎるのだ。
それぞれ尊いアイテムであり、ぜひとも進めなければならないものなのだが、それが金銭的に実りが大きいとは限らない。
おそらく、金銭的に実りの大きなアイテムも世の中にはあるのだろう。
しかし、そうしたアイテムは既得権益が大きすぎて、議論の俎上に上がってこないものなのではないか。

成長ではなく成熟

こういうテーマでの榊原教授の特徴は《達観》であろう。
やれないことを当てにしてもしかたない。
そこで、教授は「成熟戦略」の重要性を説く。
「技術革新や新たなフロンティア」が見いだせない中、実現しない成長を求めて社会に実りのない努力を強いるべきではない。

かつての盟友ローレンス・サマーズ元財務長官は、趨勢的停滞論を唱えている。
榊原教授も、幾度となくこの説に言及している。
趨勢的停滞のもとに必要なのは、成長戦略でなく成熟戦略であろう。
榊原教授は(新自由主義的な考えを後退させ)所得・富の再分配を増やす時期が近づいているという。
ゼロ成長でも多くの人が幸福になれる方向性を模索すべきという。


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