投資

楽観論の落とし穴:ジム・チャノス
2020年4月5日

キニコス・アソシエイツのジム・チャノス氏が、現状の相場観や空売りの役割について語っている。


「簡単な答は、わからない、だ。」

CNBCから相場の先行きを尋ねられ、チャノス氏が極めて正統的な答を返した。
同氏は、すでに米市場が大きく下げた点こそ認めるものの、株価が「叫び声をあげるほど安いとは思わない」と話した。
チャノス氏は、楽観派が話すEPSとPERによる強気予想の落とし穴を指摘している。

それは21%の(法人)税率で計算したものだ。
私がみんなに指摘するのは、民主党がホワイトハウスと上院の両方を獲る確率が小さくないということだ。・・・
仮に法人税率が35%に戻されたら・・・

現時点で議論されるEPSやPERは最近の状況を前提としたものが多い。
しかし、チャノス氏は、仮に法人税率が再び引き上げられればEPSは大きく減るし、そもそも弱気相場ではPERが10倍を割ることが多いと指摘する。

かつてエンロンなど多くの企業不正を暴き、大きな利益を上げてきたチャノス氏は、最近の株安でも状況は改善しないと話す。
同氏はかねてから自分のようなショート・セラーを「資本主義の捜査官」と自負してきた。

疑わしい事業モデルの企業は、2021年(利益)を基準にしてもまだ高く値付けされている。
企業が構造的に利益を出せない、そうした状況がまだとても多い。

一方、株価急落に怖気づいた人たちの中には、空売り規制を求める声がある。
チャノス氏は、十把一絡げの議論は誤りと反論する。
同氏のように、株価が高いうちからショートする投資家は、今ショート・カバー(買戻し)を行っているからだ。
今からショートを始める人もいるのだろうが、今売っている人の多くは、株価が高いうちにロング・ポジションを持っていた人たちだ。
どのようなショート(、場合によってはどのようなロングのカバー)を規制すべきなのか。
仮に下げ相場でのショートを規制するとして、規制が相場に中立であるべきとするなら、上げ相場でのロングにも規制すべきなのか。

チャノス氏は、大きく利益を上げたエネルギー関連のショート・ポジションを今週初めに閉じたと明かした。
NASDAQ上場の中国コーヒー・チェーンLuckin Coffeeのショートも2日に閉じたという。
Luckin株価は不正会計疑惑により同日だけで75%も下げている。
チャノス氏からすれば、こうしたリターンは捜査への当然の報酬なのだ。

今、私たちは株を買い戻している。
市場のクッションの役目を果たしているんだ。


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