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業績よりも金融緩和:バイロン・ウィーン
2020年1月12日

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、今年の「10のサプライズ」を補足する形で、金融政策・株価・選挙について解説している。


金融緩和さえあれば、市場は上がる。
マネーこそが市場で最重要のドライバーだ。

ウィーン氏がBloombergで、2020年も金融相場の要素が強いままになると予想している。
年初の「10のサプライズ」の中でもっともサプライズだったであろうFRB利下げ予想に関してコメントしたものだ。
ウィーン氏は今年FRBがFF金利を1%まで引き下げると予想している。
現時点の市場のコンセンサスは、据え置きといったところだ。

ウィーン氏は「10のサプライズ」で、S&P 500が年内のどこかで3,500を超えると予想している。
これは昨年末から8.3%の上げになる。
しかし、決して、企業収益拡大が主導するとの予想ではない。
今年の米企業収益の拡大を市場は10%程度と予想するが、ウィーン氏は5%しか見込んでいない。
「10のサプライズ」で株高について挙げられていた理由は「投資家の熱狂」であり、それをもたらすのは世界中の金融政策なのだ。

その1つの理由は、米国を含む世界中での金融緩和になると考えている。
私はまだFRBの金融緩和サイクルが終わっていないと考えている。
・・・
金融緩和が(株価)倍率を拡大させる。

サイクル終期、中央銀行は景気後退を恐れ、金融緩和のブレーキを踏むのが遅くなりがちだ。
それが経済状況に比べて過度に緩和的な金融環境を生み、金融相場をもたらし、ついには「投資家の熱狂」をもたらす。
結果、インフレ・資産インフレ・過剰の拡大が起こり、中央銀行はついにブレーキを踏む。
そうして景気拡大・強気相場は終焉を迎える。
最後の金融相場では、その定義から、業績によらない株価上昇まで起こる。
つまり、株価倍率の拡大だ。

また、ウィーン氏は、米選挙について現実味のあるシナリオ整理を行っている。
同氏の現時点での予想は、大統領選でトランプ再選、上院選で民主党が過半数をとるというものだ。
不思議なことに、万人にとってねじれが悪いものではないようだ。

私の感覚では、トランプが勝利し、民主党が上院を獲れば、政治的な考慮により市場が深刻な影響を受けることはないだろう。
一方、民主党が大統領と上院を獲り、下院も押さえたままなら、とても違った話になるだろう。
その組み合わせはおそらく市場にとっては良いものではないだろう。

ウィーン氏は(少なくともつい数年前まで熱心な)民主党支持者だ。
淡々とこうした予想をできるところに、この人のすごさがある。
と同時に、至るところで複雑に分断された米社会が垣間見える。


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