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株高はトランプ効果、いつかはおかしくなる:ロバート・シラー
2019年12月24日

資産価格の実証的研究で2013年ノーベル経済学賞を受賞したロバート・シラー教授が、好調な米国株市場の要因を分析し、しばらく継続する可能性に言及している。


弾劾を受けてもしばらくの間はトランプ・ブームが続くかもしれない。
私にはわからないが、じきにわかることだ。

シラー教授がCNBCで、好調な株式市場がしばらく継続しうると話した。
教授は、現在の市場の強さの主因がトランプ大統領の存在にあると考えている。

シラー教授は、トランプ大統領選出後に上げ下げを繰り返した相場が暗示するものを指摘した。
「金融市場における心理の重要性」だ。
人間には将来を予見することはできず、その予想は変化するのが当たり前。
サプライズも日常茶飯事だ。
実際に、トランプ大統領誕生も少し昔からすれば驚天動地のサプライズだったろう。
予想があやふやな中、世界を動かすのは人々の心理、しかもそれがある程度まとまることだ。

「トランプは人を動かす話し手(motivational speaker)だ。
米国にはこれまで人を動かすような話をする大統領がいなかった。
彼はアニマル・スピリットの生み出し方を知っている。」

シラー教授は、株高に減税・規制改革などのプロ・ビジネスの政策が効いていることも認めている。
しかし、それよりも心理の方が大きな影響を与えていると指摘する。

「私がアニマル・スピリットと言ったように、もっと重要なのはある時点で感じる感情なんだ。
感じ、目にする他の人たちなんだ。
他の人が市場について自信を持っているのを見れば、あなたも自信を持つようになる。
少なくとも『売るのは後にするか』と考えるようになる。」

シラー教授は、投資家が株を買う理由について、もう少し詳しくコメントしている。
市場では景気後退への懸念が渦巻いているのに、それでもみんな株を買っている。
教授は、楽観が株を買わせるという見方は単純すぎるという。
恐怖感もまた、株を買わせる要因になりうるという。
ここでいう恐怖とは、上げ相場に乗り遅れる恐怖ではない。

「グローバルになっていく現代のデジタル経済における立ち位置についてみんな心配している。
取り残されるのを心配している。
それが、人々を株式市場、ハイリスクなものに参加させているのかもしれない。」

労働者としての立ち位置に不安を感じる。
だから、資本家としての立ち位置を求めている。
シラー教授は、トランプ大統領がリスク・テイクを奨めているとし、それが「時代の精神」になっていると指摘した。

シラー教授は、人々が株を買う行動について「常に感情的」と説明する。

「他の人の意見や投票を見ることはできるし、誰かが楽観的な意見を述べていたとしても、買う準備が整うわけではない。
他の人が実際に何をしているか、買って株価を押し上げているかで決めるんだ。」

相場とは客観的数字に基づき理詰めで決まるものではない。
シラー教授は、自身が算出する客観的数字を紹介した。
シラーCAPEレシオだ。

レシオは30と、歴史的に見てかなり高い。
一方で、1999-2000年を振り返ると、レシオは44倍まで行った。
今より50%ほど上だ。
最終的にはおかしくなる。


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