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アスワス・ダモダラン 株式市場下落への道筋:アスワス・ダモダラン

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授は、インフレ・リスクを軽視すべきでないと警告し、今後のインフレ、債券市場、株式市場の変化を予想した。


「経済鈍化が見られたにもかかわらず(10月)市場が上昇を継続した理由には2つの力があるのだろう。」

ダモダラン教授がCNBCで、10月以降マクロの悪材料にもかかわらず上昇を続ける米市場についてコメントした。
企業収益の改善と歴史的な低金利がその要因とし、特にテック株が有利となったという。
ただし、その両要因がリスクにさらされている可能性があるとも言い添えている。
教授の話の文脈を考えると、リスクの源泉の1つはインフレであるようだ。

私たちは高インフレの原因についてまた別の当面の言い訳をしている: サプライチェーンだ。
あと数か月この言い訳が通用し、その後まだインフレが高止まりすれば、3つ目の言い訳を考えるか、ついにインフレ持続を受け入れるかとなる。
そこが債券市場にとっての決断の時だ。

足元のインフレを一過性とする人たちはこれまで、まずパンデミックを高インフレの原因と言い、次にサプライチェーン混乱を挙げた。
仮に数か月たってもインフレが十分に収束しない場合、それでもインフレを一過性とする説得力のある新たな言い訳は残っているだろうか。
大いに疑問だし、ダモダラン教授もそう思っているのだろう。
教授はその場合、つまりインフレが高すぎる状況が継続している場合、FRBは債券市場の動きを反映せざるを得なくなると予想している。
インフレをどこまでも許容するのではなく、債券市場と同様いくらか引き締めの手を強めざるをえなくなる。
ダモダラン教授はこの場合、10年債利回りが1.6%に留まるとは考えにくいという。

言い訳が尽きた時、インフレは真の実在する危険となる。
市場はそれと折り合いをつけないといけない。

企業収益拡大と低金利が株価を上昇させたなら、それが逆回転する時は逆のことが起こるのだろう。
順回転では、業績でも株価でも概してテック株が恩恵を受けた。
ならば、逆回転ではテック株は要注意かもしれない。

問題は、もしも消費者が収入を増やせなくなったり、インフレが所得(の購買力)を減らしたりする場合、どうやって支出を維持できるかだ。
すべてのテック株が割高ではないが、全体では割高で、そこが試練の時となる。・・・
市場全体ではないかもしれないが、少なくとも基準に達しない個別銘柄では調整が起こるはずだ。

インタビューは個別銘柄に及んだ。
キャスターが尋ねたのはテスラだ。
ダモダラン教授はファンダメンタルズからの判断にもとづき2019年半ばにテスラ株を買い、ファンダメンタルズからの判断にもとづき2020年初めに640ドルで売却している。
おそらく半年程度の間に2-3倍に化けたのだろう。
しかし(売却後に5分割があり)同株価は教授の売却後に10倍近くに上昇している。
テスラ株は10月の月間でも44%の上昇を見せた。
1つの材料となったのが、ハーツによる100千台のテスラ車購入のニュースだった。

ダモダラン教授は(テスラ株価の高低ではなく)最近のテスラ株上昇の原因について考えを述べている。

「みんなが反応したのは、テスラが今や少なくとも潜在的に大衆車になりうるとの認識を得たということだろう。」


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