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株式市場にも波及する、ふっふっふっ!:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授は、16日(水)FOMCでサプライズが起こりうると話し、不気味に笑った。


このインフレの数字については予想が難しい。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで、10日の物価統計についてコメントした。

5月のコアCPIは前月比+0.7%、前年同月比+3.8%だった。
4月の前月比は+0.9%だったから鈍化したようにも見えるが、依然高水準であるのは間違いない。

シーゲル教授は、トランク・中古車など一過性の要因の寄与を認める一方で、住宅・原油・賃金など、今後も(直接・間接に)上昇圧力になりうる要因も多く存在すると指摘する。
中でも、供給制約の一因となる労働力不足について、率直な感想を述べている。

「今聞かれる労働者不足の話は、私が聞いたことのないものだ。
私が生まれる前の第2次大戦中には、たぶん労働力や兵士などが集まらなかったのだろう。
私の人生で、こんな労働者不足聞いたことがない。」

高インフレが確認された10日、米10年債利回りは前日比5 bp低い1.45%まで低下した。
《噂で買って事実で売る》とも受け取れる動きだったが、シーゲル教授の解釈は違った。

「債券市場は、実質的な崩壊(virtual collapse)に反応しているのだと思う。・・・
インフラ法案は超党派のような形になりつつあり、数兆ドル規模だ。
これは債券市場にとって莫大な規模になる。
この支出が実現する可能性が低下し、もしそうなれば容易に現状の利回りから20 bp低下が起こりうる。」

バイデン政権のインフラ支出が頓挫すると市場が織り込み始めたというのである。
仮にそうなら、インフラ支出を当て込んでいた株式市場にも悪影響が及ぶことになるが、今のところ目立った反応は見られない。
むしろ、株式市場も金利低下に安堵しているように見える。

シーゲル教授は従前からの強気スタンスを継続している。
実質金利はマイナスであり、実物資産は良いパフォーマンスを継続するという。
教授は、実物資産の1つと呼ぶ株式への投資を続けており、選好していると念を押している。
教授は今後の注目イベントとしてインフラ法案、火曜日のPPI、水曜日のFOMCを挙げた。
特にFOMCが重要という。
サプライズを予想するからであり、その背景には市場の油断がある。

「市場にはやや過剰な自己満足が存在するようだ。
インフレは一過性で、FRBが現状のナラティブを継続するといったものだ。
FRBでこうした報告を受けた人の中には、心配すべきと述べる人も出てくるだろう。」

確かに米市場において最近、インフレへの警戒がやや緩んだように見える点がある。
FRBの言うようにインフレが一過性と見る声も多くなり、積み上がっていた米国債ショートのポジションも巻き戻した。
それが、10日の利回り低下の一因だろう。

シーゲル教授は、一貫してインフレを予想してきた。
年率で3-5%のインフレが数年続くと言い続けてきた。
教授からすると、現在の債券市場には油断が見え、株式市場もそれに倣っているように見えるのだろう。
シーゲル教授は、FRBが近々テーパリング検討を始めると予想している。
水曜日のFOMCの結果が予想外にタカ派的であることに市場が驚く可能性があるという。

この会合ではドット・プロットが公表される。
参加者は(利上げに)より積極的になるだろう。
ドットがより利上げを示唆するようなら注目を集め、水曜日の債券市場は少しさざ波が立つだろう。
さざ波はもちろん株式市場にも波及するだろう、ふっふっふっ!

シーゲル教授は、現在グロース株が、さしたる材料がなくても、金利変動とともに売買されていると話している。


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