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株式は長期投資の対象:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、新型コロナウィルスの市場への影響を深刻だが限定的と説明している。


なるとしても、これは深刻な一時的なショックだ。
でも、その後反発するだろうことが私を前向きにさせる。

シーゲル教授がCNBCで、米国株市場に強気な姿勢を強調した。
教授は、ファンダメンタルズから株価の価値を考えることを促している。
株式の価値の90%超は、1年後以降の利益を反映したものだと指摘する。
仮に1年分の利益が吹っ飛んで、1年後に通常に戻る場合を想定すると、株式の90%超の価値は維持されると説明する。
そして、米市場はすでに10%以上下げている。

米企業の1年分の利益が吹っ飛ぶとは、もちろんありえない話ではないが、現時点では悲観的すぎるだろう。

「今回で良いことは、短期的には本当に悪くても、その後を考えると、リーマン危機後などよりはるかに自信が持てる点だ。」

シーゲル教授はリーマン危機を振り返っている。
金融危機では誰もリスク・テイクしなくなり、80-90%の利益が失われた。
今回はその兆候は見えない。
教授のワースト・シナリオでは、米企業の利益は20-30%減というところだ。
もちろん大きなマイナスだが、それでも1年分が飛ぶ話ではない。
シーゲル教授は、今回のリスクについて「深刻だが限定的」と表現している。

「2020年のインパクトがどうなるかは予想しがたい。
2021、22、23年に通常に戻るかといえば、圧倒的にYesの分が高い。」

現時点では、来年以降まで大きな影響が及ぶとは予想していないのだ。
そもそもシーゲル教授は最近の株式市場について、モメンタム・プレーヤー主導の気配があると危惧していた。
バリュエーションが伸び切っており、小さなきっかけでも躓きかねないと警告していた。
新型コロナウィルスでまさにそれが起こったのだ。
その結果はどうだったか。

現在、株価はとても合理的な水準にまで戻っている。
重ねていうが、恐怖とは短期的には最大の株価のドライバーで、株価はファンダメンタルズで動かなくなる。
私が言い続けているのは、株式が長期投資のための資産だということ。
株式の価値を見るには、今後数四半期より先を見据えないといけない。

シーゲル教授は一貫して、株式への長期投資を奨めてきた人物。
そこで重要なのはファンダメンタルズから見た価値だ。
株価は短期的にはファンダメンタルズで動かなくなる。
しかし、長期投資家はそれに振り回される必要はない。

教授は明言しないが、必ずしも投げ売りする必要はないと考えているのだろう。
しかし、明言しないところを見ると、そうした自信もないのかもしれない。
逆に、価格が合理的ならエントリーを考えてもいいはずだが、これも教授は口にしなかった。
むしろ短期的には難しい局面が続くと示唆している。

それ(バリュエーション)が50%、40%、30%の下落を止めるとは限らない。
もちろん動揺も投げ売りも起こるだろう。
しかし、それは株式のファンダメンタルズの価値を破壊するものではない。

シーゲル教授は、FRBが利下げを再開すべきと主張した。
背景には、再び大きく長短逆転したイールド・カーブの形状への懸念があるようだ。

「利下げをして、金融面での問題を起こさないことを確保すべきだ。
それが危機を救うともすべてを解決するとも思わない。
しかし、キャッシュ・レートが1.6%、10年債利回りが1.15%というのは不合理だ。」

金融緩和すべきとの主張がありうることは理解できるし、市場が督促しているように実現するのだろう。
しかし、一方で、長期金利が1.15%ですでに短期資金供給も行っているFRBが、これ以上FF金利を下げることに何の意味があるのかとの疑問もわく。
今回の長短逆転も、過去の景気後退前の事例とは異なり、長期側が下がることで起こった長短逆転だ。
長短逆転自体が景気後退をもたらすとの主張なら疑問符がつく。
ここで利下げをすれば、次の景気後退期、FF金利の引き下げ余地はほぼなくなる。
日米欧の中央銀行が利下げできない景気後退とはどういうものになるのだろう。


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