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株式は実物資産に対する請求権:ジェレミー・シーゲル
2020年8月4日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、主張し続けてきた強気相場継続予想についてレビューし、あわせてリスク要因を検討している。


株式は実物資産に対する請求権だ。
金利が史上最低にある中で、株式はフィクストインカム資産やドルによってレバレッジがかかっている。
現在企業が借金をしていることを心配するかわりに、今そうしつつトンネルの先を見通せるなら、そういう企業は来年・再来年に実りを得るだろう。

シーゲル教授がウィズダムツリーでのウェブキャストのフォーマットを刷新し、初回となる今回これまでの主張を総括している。
教授は、コロナ・ショック対策のための異例の規模の金融・財政政策が資産価格とインフレを押し上げると予想してきた。
ドルの価値の低下はドル相場の下落となって訪れ、それもまた米企業にとってプラスに働くという。
つまり、レバレッジとして働く債務や通貨安は、危機を乗り越えられる企業の株式にとってはむしろプラスになるといいたいのだ。
(もちろん、生き抜ける蓋然性があるかぎり、レバレッジがプラスに働くのは世の常だ。)

シーゲル教授は、経済が本調子でない今インフレ上昇を想像するのは難しいだろうとおもんぱかる。
想像できない人は、急速に立ち直りつつある原油・貴金属をはじめとするコモディティ市場に目を向けるべきと話した。
教授は3-5%のインフレが2-3年続くと予想する。
決して低い数字ではないが、失業率の低減にはもっと長い時間がかかるので、FRBは長い間引き締めに転じないという。
さらには、危機をチャンスとばかりに企業は人員削減や業務の合理化を進め、生産性を向上させるという。

一方でシーゲル教授は、株式市場にはリスクも存在すると述べている。
際たるものが、トランプ大統領・共和党の不利が伝えられる11月の選挙だ。
バイデン氏勝利なら増税や規制強化を行おうとし、これは株式には不利。
一方で、通商政策の予見性が回復し、財政政策も継続されるため、これは有利に働くという。

「私は『選挙の結果を見るまで市場への参入を控える』とは言いたくない。・・・
一たび不確実性が解消すれば・・・歴史が示すのは、それが市場にとって好ましいということだ。」

シーゲル教授は、投資推奨について2つのポイントを語っている。
1つは、債券でなく株式という点。
もう1つは(成長率ではなくPERが重要という点だ。

債券はインカム・ゲインの源泉でなくなりつつある。
今後3-5年、投資家にとってインフレに対する保護付きのインカム・ゲインの源泉となりうるのは株式であり、配当株だ。・・・
世界、新興国市場・欧州・他の先進国の株式の方がまだPERが低く、投資家は世界の市場を視野に入れるべきだ。
配当利回りも高く、ドル安の恩恵も受ける。


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