ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイの年次総会第3弾: 今株を買うことには十分な心理・財政面での準備が必要と説いている。
(バークシャーの現金)ポジションは、ワースト・シナリオを勘案すると莫大というようなものではない。
ワースト・シナリオはありそうもないし、実現しないことを願っているが、実現しないとも限らない。
バフェット氏が株主総会で、巨額に積み上がった手元現金について言及した(Yahoo Finance)。
3月末での手元資金は過去最高の1,370億ドル(14兆円超)に上るが、これでもバフェット氏はダウンサイド・リスクを考えれば大きくないという。
バークシャーでは、ほとんどの人よりも慎重に、複数の大きなリスクが次々と顕在化する可能性も想定した運営を行っているという。
みなさんが今日・明日・来週・来月に株を買うのを奨めない。・・・
とても長期で保有し、保有するための財務・心理の準備ができているのでなければ、株を買うべきではない。
今年のバフェット氏は、ダウンサイド・リスクを強く意識した発言が目立った。
米国について相変わらずの自信を見せながらも、それは長期的な展望だ。
足元では何が起こってもおかしくないとの警戒感を何度も滲ませた。
とりわけ、株価のダウンサイドについて、市場よりかなり慎重なテール・リスクを見ている。
底値を拾うことにはならないだろうし、誰かが教えてくれることもない。
株を買うなら、50%以上下落する覚悟が必要で、保有に満足する限り下落も受け入れないといけない。
バフェット氏は、バークシャー株が過去3度、半値まで下がったことがあると紹介した。
バークシャーの問題ではなく市況によるものだったという。
だから、足元から株価が半値下落してもおかしくないというのだ。
バフェット氏は、投資家がそうした下落に耐える術を身に着けていなければいけないという。
株価を見て行動しなければいけないと思った時には・・・適切な心理的状態にいなければいけない。
率直にいって、中には不注意な人もいるし、他の人より恐怖にとらわれる人もいる。
これはウィルスのようなもので、ある人に対しては他の人に対してより凶暴に襲いかかることがある。
私は財務面で恐怖を感じたことがないし、チャーリー(・マンガー副会長)もそうだが、心理を制御できない人も中にはいる。
バフェット氏は、こうした状況で一般の投資家が犯す誤りを2つ挙げる。
- 間違ったタイミングで売り買いしてしまう。
- 何をすべきか自分で考えず、他人に聞いてしまう。
もちろん、他人に聞くのでも、相手が良ければいいのだろう。
いやいや、そうでもないらしい。
たとえ相手がオマハの賢人であろうと、他人に聞くべきではないようだ。
今日が株を買う良い日かどうか私にはわからない。
20-30年持ち続けるならうまくいくだろうが、2年でうまくいくかどうかはわからない。