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米ドル 株を多くしても使える率は上がらない:モーニングスター

モーニングスターのクリスティン・ベンツ氏らが、老後破綻しない確率を90%と規定して、年あたりどれだけの割合で老後資金を使えるかを試算している。


当初の引出率を4%とし、その後は毎年インフレ分を調整するというやり方が、しばしば引退する人にとっての『安全な』引出ルールとされる。・・・
将来の投資パフォーマンスやインフレについての予想を用いたところ、この目の子ルールは4.0%から3.3%に引き下げるべきとの推計を得た。
前提条件は、バランス型ポートフォリオ、30年のホライズンにわたり実質引出額を固定、90%の成功率(つまり、ホライズン中に資金が枯渇しない確率が高い)だ。

ベンツ氏がレポートで、老後の設計に修正が必要になるかもしれないと書いている。
原因は債券の空前の低利回りであり、リスク資産の高値感だ。
ただし、同氏は3.3%を推奨するわけではない。
推計の前提条件が「保守的」だからだという。

さて、引出率とは何のことか。
これは、引退時に保有する資産の何%を毎年引き出して支出するかを指している。
あえてドルでなく円で例示すると、1億円を持って引退する人は以前なら毎年4.0百万円を取り崩してよかったのに、現在の環境では(保守的に見ると)3.3百万円しか取り崩せなくなったという話だ。
仮に3.3%が保守的な数字だとしても、そう問題は解決しないだろう。
そもそも広い世間でいえば(いろいろ算入しても)1億円持って引退できる人の割合はそう多くない。

ベンツ氏は、1つ注目すべき発見を紹介している。

注目すべきは、株式の構成比を高めても、バランス型資産配分として持続可能なものより当初の安全引出率が上昇しないということだ。

裏を返せば、株式の構成比を引き下げても安全引出率はさほど下がらない。
より安全な債券を増やしても安全にならない。
債券利回りがあまりにも低く、債券のウェイトを増やせば、破綻の確率を上げてしまうのだ。
だからといって利回り向上のため株式を増やせば、期待利回りこそ上がるが、確率現象として起こる破綻の確率を上げてしまう。
同様の現象は以前ジェレミー・シーゲル教授も指摘していた。
低金利が老後の生計を締め付けている。

ベンツ氏は、当初引出率を高くする方法をいくつか提案している:

  • 成功確率を妥協する
  • インフレ調整をしない(引退後は支出が減少傾向にあるため)
  • 退職を遅らせる
  • 可変引出ルール: 状況に応じて引出額(あるいは率)を変える

最後の可変引出ルールについては、年ごとのキャッシュフローが不安定になる弊害があるものの、引出率を5%近くまで引き上げることが可能になるという。
具体的な変動ルールをいくつか紹介している:

  • 資産価値/平均余命 で引出率を決める
  • 投資パフォーマンスに連動して引出率を決める

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