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株より金:ピーター・シフ

ユーロ・パシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、コロナ・ショックに対応した金融・財政政策の帰結について予想している。


あまりにも多くの人が、ピンが破裂させたバブルではなくピンの方に目をやっている。
コロナウィルスによるシャットダウンの前から、いつ米経済に厳しい景気後退が来てもおかしくなかったし、いつ米国株市場に弱気相場が来てもおかしくなかった。

シフ氏が持論をロシア国営RTで話した。
市場の混乱の本質はコロナ・ショックの前からあったバブルの崩壊であり、コロナ・ショックはそれを弾けさせるきっかけにすぎないという見方だ。
こうした考えに基づけば、下げはまだ続くことになるのだろう。
シフ氏は、市場がさらに下げ、経済はさらに悪化すると予想している。

シフ氏は、この時期、多くの人が口にしにくいことを話す。

たくさんの人が、政府がタダで配るお金をもらおうと長蛇の列を作るのだろう。
でも、もちろんこれはタダではない。
新たに生まれるお金に物価が反応するにつれ、米ドルの購買力の低下という形で、重いつけを支払うことになる。

かつてない規模の財政政策が米財政を悪化させ、それが最終的にドルの価値を貶めるとの指摘だ。
多くの人がこれに気づきながらも、今は口にしないようにしている。
しかし、シフ氏はそれを口にする。
なぜか。
同氏は、こうした救済策には「何も良いことがない」と極論する。

「むしろ、停滞を悪化させ、回復を遠くへ押しやってしまう。
政府は基本的に企業に対し、ダウンサイジングして新たな現実のコスト構造に準用するよう促すべきだ。
政府はかわりに、退職させ他の機会を試させた方が豊かになるだろう従業員を雇い続けるよう促している。
レイオフを拒むためにおそらく破綻してしまう企業に従業員をつなぎとめている。
結果、後になってより多くの人をレイオフしなければならなくなる。」

シフ氏流の経済観からすると、弱者救済は弱者・企業・産業のためにならないということなのだろう。
市場の機能に対する際限のない信頼がうかがわれる考え方だ。
また、同氏にはリバタリアンとしての側面もある。

「(雇用助成のための)これらのローンは二度と返済されないだろう。
労働者を解雇しない企業は商売が成り立たなくなるからだ。
そして、みんな職を失い、政府は返済を受けられない。
ローンに担保や個人保証がついていないからだ。」

シフ氏は、コロナ・ショックに対応するための拡張的金融・財政政策がインフレを引き起こすと心配する。
そして、自身の商売である金をセールスした。
インフレ上昇により、名目価格があまり意味を持たない世界がやってくると匂わしている。

最後には金が株式市場より大きく上げるだろう。
株式市場が反転し下げても、金は上がると思う。
FRBほかの中央銀行が解き放った大幅なインフレにより、名目株価はどうあれ、金の価値を単位にして見た株価は急落するだろう。

金の価値を単位にしてみた米株価という手法は、ジェフリー・ガンドラック氏も用いている。
同氏によればS&P 500は20年弱気相場にあるという。


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