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来年末までに最低2%の利上げが必要に:ジェレミー・シーゲル
2021年12月11日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、金融政策の見通しをより具体的に予想し、それに応じた投資選択を解説している。


少しほっとしたよ。・・・
今日は株式の側も反対側もほっとして上昇したのだろう。
また、FRBもまだパニックしなくてよい内容だ。

シーゲル教授がウォートン・ビジネス・ラジオで10日、米CPIについてコメントした。
米労働省が10日に発表した10月のCPIは前年同月比6.8%上昇、コア指数は4.9%上昇だった。
市場予想と同水準かわずかに上回る結果だったが、教授はもう少し悪い予想を聞いていたようだ。
ただし、シーゲル教授は今後もしばらく高インフレが居座ると見ている。
結果、FRBは今後も方針見直しを余儀なくされるという。

私は、FRBがまだ大きく出遅れていると思うし、この先利上げをはるかに急ぐよう何度も変更せざるをえなくなると思う。
インフレは来年初めから半ばにかけもっと居座るだろう。

目先14-15日のFOMCについては、利上げ開始時期を前倒しできるようにするため、とりあえずテーパリングのペースが倍になるとシーゲル教授は予想する。
ドット・プロットも9月よりはるかに上方に移動し、時間が経つにしたがい、これが繰り返されるだろうという。
教授は、FRBが2022年末までに最低2%の利上げを余儀なくされると予想する。
現状の10年債利回りのままなら長短金利逆転が起こる水準だ。
それでも、さらに利上げしなければいけないかもしれないという。

シーゲル教授は前回の同番組で、ヘッジ需要等を背景としてイールドカーブの長短逆転が一般的になるとの予想を述べている。
従来、長短逆転は確度の高い先行指標だったが、今後は必ずしもそうでなくなるとの話だった。
ただし、それも長短逆転の原因次第のようだ。

「景気後退期の前に大きな長短逆転が起こるだろう。
FRBが4-5%利上げして、長期金利が2.5%となるようなら、景気後退が起こるだろうが、それはまだ遠い先だ。」

今起こるかもしれない長短逆転は景気後退の先行指標と見る必要がないかもしれないが、仮に従来と同程度の幅の利上げが行われ長短逆転が起こるなら、それは赤信号というわけだ。

なお、シーゲル教授は先ゆき短期側の実質利回りはプラスになると予想している。
長期側についてはわからないとしている。
短期側がプラスになるということは、FF金利がインフレ率より高くなるまで利上げされるという予想だ。
それほど今回のインフレには金融政策による対処が必要になるとの考えなのだろう。
(もっともかつては当たり前のことだった。
かつては中立金利を超えるところまで利上げされていたからだ。)
シーゲル教授は、これまでのように放っておけばディスインフレになるとは見ていないのだ。

シーゲル教授は、利上げと株価の経験則を語る。

FRBが利上げを始める1年目は実際は株式に良い年になってきた。
企業の利益はまだ良好で、実物資産も・・・、TINAがまだ支配する。フッ!

シーゲル教授は、FRBの金融政策について突っ込んだ質問を受けている。
預金準備率引き上げは用いられないかというもので、教授の答は用いられないだろうというものだった。
この質問は実は深い。
教授がいうように来年最低2%の利上げが必要だとして、FOMCは8回(今年)程度しかない。
年初から25 bpずつ上げてやっと2%だが、今のところ年初利上げは視野にはなかろう。
つまり、シーゲル教授が予想する最低2%の利上げというのは形式的にも大きく見える方針変更になる。

市場は今はそれを予想していない。
だから言ってきたように『揺れ』が起こる。
来年、株式市場が打撃を受けるが、今回もインフレに大きく負ける債券や現金には行けない。
まだ株式が投資先になる。


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