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来年も円高・株高トレンド:佐々木融氏
2020年11月29日

JPモルガンの佐々木融氏が、現在の為替・金利・リスク選好の状況を解説し、来年にむけて円高ドル安・日本株高を予想している。


来年のドル/円相場は、過熱感や悲観的な見方がなく静かに100円を割り込むことになるだろう。

佐々木氏がReutersへの寄稿で書いている。
JPモルガンとして来年末までに1ドル98円までの円高ドル安を予想しているという。
現状の為替・金利・リスク選好の関係が良くまとまっているコラムになっている。
自身の感覚を較正しておきたい投資家は原文を読むことを奨めたい。

JPモルガンの予想は至極素直なものだ。
日米で比較した場合

  • コロナ・ショックの影響を受けているとはいえ、米国の方が高いインフレを予想しやすい。
  • コロナ・ショックにおいて、日本だけでなく米国の金利も極めて低くなっている。
  • 短期的に為替に影響を及ぼすといわれている実質金利は日本の方が高い。

となっている。
こうした考え方は多くの投資家が好むものだ。
インフレ調整後(実質ベース)で見た場合、名目利回りゼロでありながら日本国債は(ディスインフレであるがゆえに)相対的に魅力的になっている。

佐々木氏はこうした枠組みを実証するようなフローの変化を紹介している。

  • 日本企業の対外直接投資が減少傾向。
  • 日本からの対外証券投資フローも大きく減少すると予想。

実質金利がマイナスの米国と実質金利がプラスの日本の間で円高ドル安が起こるのは極めて自然なことなのだろう。

円の実質実効為替レート(青、左)とドル円レート(赤、右)
円の実質実効為替レート(青、左)とドル円レート(赤、右)

佐々木氏は、現在の円の実質実効為替レートが過去30年平均に比べて20%程度割安の水準にあると指摘している。

米政権が日本嫌いの民主党に移るなら、なおさら中央回帰程度の円高に驚かないよう心の準備が必要だろう。

JPモルガン予想で興味深いのは、日本株の上昇を予想している点だ。

世界的な株価上昇が続く中で、ドル/円相場と日経平均株価の相関は今後も崩れたままの状態となるだろう。
J.P.モルガンは来年もドル/円相場の下落トレンドと日経平均株価の上昇トレンドは並立すると予想している。

まだ米金利が高かった頃、リスク・オンなら円安ドル高で株高となった。
しかし、今は金利差が逆転している。
リスク・オン局面で円高ドル安かつ株高となりうるのだ。
これは理屈だけの話ではない。

佐々木氏は先例を示している。

これはGFC以降の2009年3月から2011年7月にも見られたみられた現象だ。
ドル/円相場はこの間100円から76円まで下落したが、日経平均株価は50%程度上昇している。


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