来年はもっとよい年になる:バイロン・ウィーン

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、弱気に振れた米市場についてコメントした。
大ベテランは心の平静を保ち、今でも強気を維持している。


「私は今日起きたことを恐れていない。
それをひき起こした原因を恐れている。」

S&P 500指数が2.93%の大きな下げとなった14日、ウィーン氏がFOX Businessで冷静沈着にコメントしている。
14日の下げの原因は諸外国、特に欧州と中国で弱い経済統計が出てきたためと解説した。
裏を返せば、米経済に端を発するものではなかったとの含意だろう。
しかし、もちろん米経済は諸外国の経済の影響を受けている。

心配なのは2020年に景気後退入りすることだ。
私はこれまで番組で危機後退入りは2021年以降といってきた。
今では、これら弱い数字を見ると、それが2020年になるかもしれないとの考えも出てきた。

ウィーン氏は、自身の景気後退入りについての予想をまだ変更はしていない。
一方で、経済統計の悪化が続けば、変更を検討するもとも匂わせている。

ウィーン氏は、あくまでファクトを重んじるエコノミスト/ストラテジストだ。
もちろん市場心理もファクトの1つではあるが、それだけに簡単に流される人ではない。
だからこそ《伝説》と称されるほどの信頼を勝ちえてきた。
多少、市場が下げたぐらいでは弱気にはならない。
なぜなら、何かが悪化すれば、それを元に戻そうとする力が働きうるからだ。

「やれることは残っており、おそらくFRBによるものではないだろう。
FRBはおそらく利下げするだろうが、金利はすでに低い。
借金して何かをしようとしたら、もうすでに安い金利で借りられる。」


金融緩和が純粋に金融環境の緩和のためなら、もう十分に緩和的との意見も少なくない。
政策金利は中立金利と同じかやや低めであり、FRBはいまだに量的緩和の名残である大きなバランスシートを抱えているからだ。
史上最長を更新する景気サイクルの中、こうした拡張的な金融政策を続けていることに批判的な意見があるのはむしろ当然なのかもしれない。
米国では通貨安を望む大統領と《強いドルは国益》とする伝統的な考え方の持ち主が意見を戦わせている。
こうした国では(本音において)通貨安誘導のための金融緩和は当然のこととはされないのだ。

米国はおそらく財政政策を必要としている。
何とかして2%超の成長を維持しないといけない。
・・・
経済が後退するようなら、ドナルド・トランプの再選が困難になるだろう。
彼はそれを知っている。

ウィーン氏は、財政政策の場合、政治的合意の形成が課題になると指摘する。
あわせて、財政政策は効果が出るのにややタイム・ラグがある点も認めている。
ウィーン氏は、トランプ大統領がエコノミストらに2020年の景気後退入り回避のための策を検討させているはずという。

「昨年の第4四半期を思い出すと、クリスマス・イブまですべてが弱く、そこから転換した。
これからも転換はありうる。」

ウィーン氏は、米中交渉での合意、香港デモの解決、経済統計の改善などが再び市場心理を転換させる可能性があるという。
こうした材料は経済・市場の心理を変え、即効性の「転換」をもたらす可能性があるという。

ウィーン氏がいいたいことは、片方に極端な反応をすべきでないということなのだろう。
この賢人はいまだ米市場について強気を続けている。

パニックしてはいけない。
市場はさらに4%下げて(最高値から)10%下げるかもしれないが、私はまだ景気後退が回避され、来年がもっとよい年になると思っている。


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