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本当に困った状況だ:マーク・ファーバー

スイス人著名投資家マーク・ファーバー氏の今月の月次コメンタリーのタイトルは『なぜ多くの人が経済的に権利を奪われていると感じるのか?』だった。


結局のところ、もしも新マルクス主義者の目的が社会秩序を破壊し人々を社会主義に追いやるものならば、右翼の過激派は社会秩序を破壊し人々をファシズムに追いやるものだろう。

ファーバー氏が、社会の分断を嘆いている。
単なる分断でなく、互いに相当に極端な考えを持っているところが嘆かわしい。
面白いのは、ファーバー氏が仄めかす原因だ。
タカ派あるいはオーストリア学派らしく、巨額の財政赤字がインフレ(消費者物価とは限らない)を生み出し、それが民衆を苦しめ、人々を極端に走らせるというもの。
時系列を考える限り、これもまたやや極端な考えのように思われる。

今月のコメンタリーで特徴的なのは、いつもにまして引用が多いこと。
例えば、Bloombergが報じた韓国の27歳女性の言葉もそう。
マンション購入を夢見た結果の嘆きだ:
「『韓国では、20代が裕福になるには2つしか方法がない: 宝くじに当たるか株をトレードするかだ。』」
ファーバー氏のコメントはこう。

「もしもこれが若者の考える、そこそこ稼ぎ富を得ることだとすれば、世界は本当に困った状況にあるのだろう。」

ファーバー氏はこの点について真意を詳しく述べていない。
いくつもの意味に解釈しうる一文だろう。
政策が片棒を担いだ格差問題が悲惨なのかもしれないし、そもそも韓国女性の考え方にやや極端なところがあったのかもしれないし、メディアの切り取り方に起因するのかもしれないし、様々複合的な要因の混ざった話かもしれない。
決して単純明快な話ではないのだろうが、ファーバー氏はヒントを出している。
近代広報・プロパガンダの始祖ともされるオーストリア系アメリカ人、エドワード・バーネイズの言葉だ。

『大衆の組織だった習慣・意見を意図的・知的に操作することは民主主義社会における重要な要素だ。
この社会の見えざるメカニズムを操作する者が、私たちの国の真の支配者である見えざる政府を構成する。
概して聞いたことのない人たちによって私たちは支配され、思考を形作られ、嗜好を形成され、考えを示唆されている。』


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