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有効なマイナス金利政策を生み出す環境を:ケネス・ロゴフ
2019年1月7日

元IMFチーフ・エコノミスト ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、次の景気後退における対処法について分析している。
教授の2冊の著作をつなぐような話になっており興味深い。


最良のアイデアは、マイナス金利政策がもっと十分かつ効果的に活用できるような環境を作ることだ。
いつかはそうなるだろうが、しばらくの間続く、今日の反景気循環的財政政策への過度な依存は危険なほど能天気だ。

ロゴフ教授がProject Syndicateで書いている。
リーマン危機後、各国はこぞって非伝統的金融政策を用いてかつてない強度の金融緩和を実行した。
100年に一度と言われた危機からは見事に脱出したものの、問題が解決したわけではない。
極端な金融政策を正常な状態に戻す前に、次の景気後退がやってきそうなのだ。
もしもそうなれば、金融政策が主体となって景気を下支えることはできなくなる。
金融緩和の余地が残っていないからだ。
深刻なのは、金融政策正常化を率先して進めている米国にもこのことが言えるということ。
それより二歩三歩と後れをとった日欧は、まだ正常化の端緒についたばかりだ。

「世界中の中央銀行に、次の通常規模の景気後退にどう対処するかと尋ねたら、その答えに驚くだろう。
なんと多く(少なくとも先進国経済)が『財政政策』と言うことか。」

玉石混交の政治家に比べれば、中央銀行ははるかにものを知的に冷静に見ている。
彼らは《ない袖は振れない》ことを知っている。
次の景気後退期、金融政策はたいして力にならないという現実があるのだから、あとは財政に頼らざるをえないとなる。

財政政策には時間がかかる

しかし、政治の世界は玉石混交であることを忘れてはならない。
さらに、玉の中にも大きなイデオロギーの相違が存在する。
こうしたことが、非常時の決断にも時間を取らせてしまうのだ。

「このことによって、次の景気後退期に財政刺激策を除外すべきとなるわけではない。
しかし、これは、多くの中央銀行が望んでいるように財政政策が第1の防御ラインにはなりえないことを指している。」

景気後退とは通常そう長く続くものではない。
逆に、長く続かせてはいけない。
だからこそ、小田原評定になりがちな政治、つまり財政政策に先発隊を期待するのは無理なのだ。

(次ページ: 無策と無責任の対立)


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