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暗号資産の下落が市場を揺るがす:マーク・モビアス

新興国市場投資の大ベテラン マーク・モビアス氏は、概ね楽観スタンスを維持する一方で、もしも暗号資産が下落すれば資産効果が失われ、市場全体にとって問題になりうると心配している。


私はとてもインドに強気だし、私の最大の投資先もインドだ。
今回の二度目のアウトブレイクにもかかわらず、インド市場の株式が良好なパフォーマンスを上げているのには驚いている。・・・
一般論で言えば、この問題にかかわらずインド株は上昇するだろう。

モビアス氏がBloombergで、インド市場に対する強気スタンスを強調した。
インドは現在、深刻・悲惨なパンデミックに襲われている。
しかし、モビアス氏はこれが一時的なものであるとし、ワクチン接種の進展とともに事態が改善に向かうと予想した。
インド株も、調整こそありうるが、大きな下げ幅にはならないだろうという。

モビアス氏は米大統領選挙前、バイデン勝利なら米国株にマイナスと話していた。
この読み違えの原因を尋ねられると、モビアス氏は、財政出動の規模を見誤ったと分析した。

私が予想していなかったのは、バイデンが提案する驚くほどの財政支出策の規模だ。
これは、米市場だけでなく世界中の市場にとって恩恵をもたらした。
米国の大きな支出は輸入の増加を意味するから、新興国市場からの輸出にチャンスが増える。
中国だけでなくインドを含む世界中からの輸出だ。

前例のない規模の財政出動が、世界の経済にプラスの波及効果を及ぼしているというわけだ。

以下、モビアス氏の発言要旨:

  • 物色中の分野: 医療分野の検査、基礎インフラ(建設資材)、教育。
  • 金融(インドと世界): 不良債権の目途は金融機関にもつかないものなので、避けている。
  • インドがもくろむ民営化: 極めて有益だが、政治的反対が大きく、時間がかかるだろう。
  • 半導体への投資(台湾、いくらか韓国): うまくいっている。ファブレス、設計の会社がよい。
  • テクノロジー: ハードとソフトの両方を手掛けているが、世界中、特にアジアのソフトにチャンスがあると考えている。
  • 中国: 勢いを取り戻すには米中関係の改善が必要。民間は関係が良好であり、今後も改善するだろう。

モビアス氏の語り口は総じて楽観的だ。
そうした楽観がなければ、新興国市場投資の草分けにはなれなかっただろう。
その総じて陽気な投資家が、1つだけ聞かれもしないのに足元のリスク要因を語っている。

今後の大きな問題は、通貨、デジタル通貨の問題だと思う。
現在、みんな知っているとおり暗号資産のバカ騒ぎがあり、この結果、見てきた通り資産効果が働いていることを心配している。
もしも暗号資産、特にビットコインが下落すれば、市場にとって問題になりうる。


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