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景気後退期、米国が日欧に追随する:ジェフリー・ガンドラック
2019年6月22日

ジェフリー・ガンドラック氏に対するFOX Businessによるインタビュー後編。
次の景気後退期に起こることを予言している。


次の景気後退は住宅危機のようなものとはならないと考えている。
企業債務問題と金利操作による解決となるだろう。

次の景気後退期についてガンドラック氏がとても厳しい見通しを示した。
3月にはリーマン危機前の2007年に似ていると語ったガンドラック氏だが、今回の火種は住宅市場ではない。
社債市場だ。

ガンドラック氏は、米経済の成長が債務に依存している点を問題視する。
2018年、米公的債務はGDPの6%増加し、名目GDP成長率が5%である点を挙げ、債務増加による経済成長であったと指摘した。
実に、公的債務を拡大した分さえ成長できていないと言いたいのだ。
ガンドラック氏は、次の景気後退期、公的債務は大幅に増え、おそらくGDPの10%になるだろうと予想、そこで採られる「金利操作」という解決策を説明した。

これは自然な市場の力の下では長期金利上昇をもたらし、景気後退をさらに悪化させる。
このため、予想されるのは、FRBがECBや日銀をまねて介入し、この累積した債務問題が表面化しないよう金利を低位にペッグするのだろう。

ガンドラック氏は「ECBや日銀流の本当にひどく異常な政策」をFRBが追随するという。
MMTを引き合いに出し「経済成長より金利を低く保たなければいけない」というアイデアを中央銀行が採用するだろうとした。

もちろんガンドラック氏はこうした変化を歓迎しているわけではない。
価値観を度外視して淡々と予想しているのだ。
ガンドラック氏は慢性的な金融緩和が引き起こす問題点を1つ挙げている。

「本来なら破綻すべき脆弱な企業が存在する企業財務システムになっている。
現状の金利の状況のためにゾンビ企業として継続している。」

欧州を例に挙げ、マイナス金利政策が悪循環を生んでいるとして、次の景気後退期に大きな問題になると予想した。

ゾンビ企業を破綻させたくないため、さらに金利を引き下げなければいけない。
しかし、脆弱性をもたらしたのはそのマイナス金利なんだ。
マイナス金利が脆弱性を生み、その解決策がマイナス金利という循環論法になっている。


こうした思いは市場関係者の中に少なくないのかもしれない。
ピーター・シフ氏はFRBの金融政策について「問題の原因の政策で問題を解決しようとしている」と痛切に皮肉っている。
こうした人たちの考えが正しいのかどうかはわからない。
ただ、実務家からすれば耳を傾けるべき意見のように見える。
しかし、政策決定者やそれに連なる経済学者がこうした声に十分耳を傾けているのかどうかはわからない。
市場に引導を渡させることをためらうばかりの政策に見えてしまう。

ガンドラック氏は、悪循環に陥っている企業の例としてドイツ銀行を挙げた。
マイナス金利のメッカともいえるドイツの大銀行だ。

「ドイツ銀行株は2007年から95%、過去3年でも65%の下げだ。
・・・マイナス金利が終わりのない株価下落からの脱出を困難にしている。
欧州の銀行システムはシステミック・リスクを抱えており、ドイツ銀行はその脆弱性の象徴だ。」

金利低下が収益悪化につながるのは金融機関だけではない。
事業会社もしかりだ。
金利が低下している最中は恩恵を受けるものの、金利が下がりきってしまうと事業投資の利回りも下がってしまう。
仮にその時、債務を多く抱えていると、金利上昇にも耐えられなくなってしまう。

次の景気後退期、先進各国の権力者は大いに困難に見舞われるだろう。
これは私たちが35年以上も漬かってきた債務ベースの経済システムの結果なんだ。


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