景気後退を心配すれば鬼が笑う:バイロン・ウィーン

Blackstoneのバイロン・ウィーン氏が、米景気後退は早くて2021年と予想した。
2020年までは何が何でも景気をもたせるような政策が打たれるという。


「年初予想(S&P 500指数15%上昇)のうち10%はもう達成済みだ。
・・・だからあと5%は間違いなく上がると思う。」

ウィーン氏がYahoo Financeで語った。
年初に公表した「2019年の10のサプライズ」での予想が着々と実現しつつある。
この老人のすごいところは、自身のエゴやバイアスを取り払う術をわきまえていること。
事実をもとにバイアスのない予想を導出するため、年初には多くの人にとってサプライズなのに、いい確率で的中していくことになる。

目下の市場の最大の関心事は、景気後退入りがいつになるかだ。
ウィーン氏は、少なくとも2021年までは景気後退はないと予想する。
まだ2年はあることになる。
市場が景気の先行指標だとしても、市場にはまだ上げる余地があることになる。

イールド・カーブの長短逆転も熱狂的な市場も平均時給4%アップも在庫の積み上がりも起こっていない。
2020年は選挙の年で、もしもあの男が再選を目指すなら負けたくはないだろう。
経済が減速した時に外せる堰をいくつも用意している。


今年については、経済成長が鈍化することはあっても、景気後退まで下振れることはないという。
来年は選挙の年であり、景気後退を避けるためあらゆる策が講じられるはずと読む。
ウィーン氏は、米経済が「長く、とても緩慢な経済成長」にあるといい、2021年に景気後退入りするかどうかも定かではないという。

ウィーン氏は、まだ2年ほど景気が拡大すると考えている。
これは、金相場にとってはマイナス要因だ。

「債券市場・株式市場で稼げるだろう。
結果、金は今年は儲かる投資にならないだろう。」

FRB金融政策については、ウィーン氏は今年利上げはないと予想している。
理由は単純明快だ。
FRBには利上げをする理由がないからだ。

みんな景気を刺激すれば経済がテコ入れできるため、FRBが景気を刺激すべきと考えているが、それはFRBの使命ではない。
FRBの使命は低い失業率と低いインフレだ。
それが変更されない限り、やるべきでない。

ウィーン氏は、インフレ・失業率ともに低い状況にあるとし、FRBは責務を果たしていると評価した。
原理原則を守れといいたげな正論である。
熱心な民主党支持者であるウィーン氏が金融緩和に慎重なことは興味深い。
金融緩和を求める人には2種類いる。
まず、経済の先行きを本当に心配する人たちだが、この意見の勢力はかなり弱まっている。
現状なみの弱いインフレに対して危機感を感じる人はそう多くない。
もう1つの人種は、目先の利益を求めて金融緩和をねだる人たちだ。
こうした意見に耳を傾けるべきでないのは言うまでもない。


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