景気後退は恐ろしいものになる:ピーター・シフ

ユーロパシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、次の景気後退が悲惨なものになると話している。


債券市場が上昇し始め長期金利が低下した唯一の理由は、FRBが否定していること、つまり米経済が景気後退に向かっているためだ。
債券投資家は、FRBが前2回の景気後退で犯した失敗、つまり利下げと量的緩和を次も行うと賭けている。

シフ氏がThe Income Generation Showで、現在の米債券市場について解説した。
もちろん、日欧の低金利が米金利を引き下ろしているという面はあるのだろう。
しかし、それでも経済が活況ならばここまで資金の需給が緩むこともないのだろうから、一理はあるのだろう。

シフ氏の批判は日欧でなくFRBに向かう。
同氏は、資本主義の中で金利が果たす役割を主張している。

「米経済に存在する本当の問題は、金利が人為的に低くされていることだ。
金利はあまりにも低すぎる。
・・・
人為的に金利を抑え込むことで、FRBは経済が実質経済成長につながるような再編を進めることを妨げている。」


金利とは経済の規律を保ち、新陳代謝を促す機能を備えている。
退出すべき経済主体は退出させ、高い資本コストでも生きていける経済主体に資金を振り分ける。
これが強い経済を作っていく。
しかし、長く続く超低金利はこの機能を阻害し、ゾンビ企業の温存を助長する弊害がある。

「次の景気後退は恐ろしいものになる。
そのことはFRBが過去にやったことによってすでに運命づけられている。
・・・
金利が上昇すれば、もちろん債券価格はクラッシュし、株価はクラッシュし、不動産価格はクラッシュし、銀行は破綻し、倒産が起こり、差し押さえが増え、投資家は大損する。
金利が上昇しすれば、たくさんの悪いことが起こる。」

シフ氏は、こうした悪いことは必要悪であると主張する。
このプロセスを避けてしまえば、問題は温存され、さらに大きくなってしまうかもしれない。
シフ氏は、FRBや歴代の政権が「審判の日」を先延ばしにしてきたと批判する。
同氏は、そうした先延ばしが欺瞞の中で繰り返されてきたことへの強い怒りをとうとうと述べている。

FRBはバランスシート再拡大をQEと呼ばないようにしている。
QEには悪いイメージがあるからだ。
QEはグレート・リプレッションの最中、金融危機の時に実施した政策だ。
もしも経済がすばらしいなら、どうしてQEをまたやっているんだ。


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