景気後退とは治療、受け入れろ:ピーター・シフ

ユーロパシフィック・キャピタルのピーター・シフ氏が、金相場や金融政策についていつもの主張を繰り返している。
今回はとりわけ同氏のインチキっぽさ、鋭さが際立つ内容となっている。


これ(金価格上昇)は必ずしも人々が景気後退を心配しているからではない。
彼らは中央銀行、特にFRBが次の景気後退期にやることを心配しているんだ。

シフ氏がロシア国営RTで、最近の金価格上昇についてコメントした。
金価格上昇については様々な解説がなされている。
世界の政情不安や米ドルの信認低下というあいまいなものから、債券利回りの低下・マイナス化といったものまでだ。
シフ氏の読みは次の景気後退期のFRB金融政策にある。
ゼロ金利回帰、QE再開はいずれも金相場にプラスに働くと指摘している。、

「FRBが始めてQEを開始した時、金価格が1,900ドルで止まったのは、FRBに出口戦略があるとみんな信じたからだ。
FRBは逆戻りして金利を正常化しバランスシートを巻き戻すことができると信じたからだ。
それが間違いと気づき、出口戦略などなく基本的にQEが永遠に続き、バランスシートは拡大し続けると信じるようになれば、次回の金(上昇)は止まらない。」

シフ氏の将来に対する見通しはとても悲観的だ。
まず、米中摩擦と景気後退に関する見通し。
シフ氏は、多くの人が誤った楽観的観測を抱いているという。

「やるべき唯一のことは貿易戦争の終了であり、それで景気後退を回避できるというものだ。
これは起こらない。
中国がただ屈服するとは予想していない。」

もう1つは、景気の下支えについての考え方だ。
シフ氏は、景気拡大を無理に長引かせれば長引かせるほどその後の景気後退が厳しいものになるという。
現状すでに10年以上景気拡大期が継続しており、次の景気後退期は厳しくなると予想した。


景気後退とは治療の一部であり、拒絶するのではなく受け入れるべきものだ。
不幸なことに、政治家は、経済の長期的な健全性より自分の再選の方が心配なためにそうしない。

シフ氏は、トランプ政権とFRBが今後、景気延命策を投入すると予想する。
利下げ、QE再開、減税、財政支出拡大が見込まれるという。

「しかし、これらは経済が必要としている刺激策ではない。
経済が求めているのは、大きな政府ではなく小さな政府、金利低下ではなく金利上昇だ。
しかし、私たちがたとえ正しいことをしたとしても、景気後退は回避できない。」

シフ氏は大統領選前に景気後退が始まるとして、トランプ大統領の再選はないと予想している。

選挙のゆくえはどうあれ、米国では拡張的な金融・財政政策を予想する人が多くなった。
このような環境での投資戦略を尋ねられると、シフ氏は、金、銀、鉱山株、外国株、ドル以外の資産を挙げている。
ほとんどがユーロパシフィック・キャピタルが注力している資産クラスであることには注意したい。

特に通貨についてはやや長期的なニュアンスを付しながらもこう語った。

ドルは貿易の不安から恩恵を受けてきたが、最終的には敗者になる。

シフ氏は、先日のマーク・カーニーBOE総裁の発言を引きつつ、次の準備通貨は金だと主張する。

「金はドルの前の準備通貨であり、ドルの後の準備通貨になるだろう。
投資家はいつ買うか? 今でしょ。
それが起こるまで待ってはいけない。
金が再び通貨となれば、価格ははるかに上昇する。」


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