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ブラックロック 景気・市場回復期のショッピング・リスト:ブラックロック
2020年4月7日

資産運用の世界最大手ブラックロックのトニー・デスピリト氏が、市場の底打ち後に特に有望となる分野について予想している。


今年の企業収益は厳しいものになると予想するが、私たちはコロナウィルスが一過性のイベント(おそらく3-6か月)であり、世界経済と企業収益力を永遠に害することはないと考えている。

デスピリト氏が自社ブログで書いている。
同氏は、コロナ・ショックが世界金融危機のように金融システムの中核が壊れ経済に波及するような性質のものにはなっていないと指摘。
金融システムは世界金融危機の前よりはるかに頑強であると述べている。

予想される期間の長短の差こそあれ、これは市場や社会のコンセンサスだろう。
そもそも永遠に経済・市場を害するイベントなら、私たちは投資の悩みから解放される。
何にも投資するな、が答となるだろうからだ。
これまでの人類の歴史で起こらなかったことを今起こると予想するだけの材料は見当たらない。

デスピリト氏は1987年以降の7回の大幅調整・弱気相場とその後の回復を回顧し、ある推論に至っている。

最近、米国株下落が特に顕著だが、市場が安定を取り戻すにしたがい投資家の忍耐が報われることを歴史は示唆している。

7回の大幅下落のうち5回は、底から12か月以内に下落前まで戻しているのである。
12か月で戻らなかった2回とは1987年のブラックマンデーと2000年のテクノロジー・バブル崩壊だ。
もちろんこの2回でも、結局は値を戻し、再び高値を更新していった。
こうした米国株市場の歴史が繰り返すと考えるなら、答は簡単だ。

長期投資家にとって最も分別ある方針とは、既定の路線にとどまり、市場が混乱を脱するにつれやってくるチャンスに備えることだ。

「長期投資家」と限定しているのは、短期的には下値がありうるとの認識を表すものだろう。
「既定の路線」にとどまれというのは、米市場における長期投資では当たり前の話に近い。
基本的に右肩上がりを続けてきた市場だからだ。
歴史が繰り返すと信じるなら、米国株の長期投資家はいかなる時も保有を続けるのが正解となる。

残ったのは「チャンス」のくだり。
デスピリト氏の推奨で重要な部分は「チャンス」の部分であり、その所在だ。
同氏は物色すべき対象の性質を2つ挙げている:

  • 過大な混乱を被ったもの
  • 全天候型で、停滞期でもしぶといもの

後者からわかるように、レバレッジの高い対象は忌避すべきとしている。

  • 質の高い循環株: 生き残れるバランスシートとキャッシュフローを前提にすれば、高ベータの銘柄は下げもきついが上げも速い。
  • バリュー株: 年初来で最低のパフォーマンスのファクター。
    経験則として、バリューは景気後退からの脱出時に最良の時を迎える。
  • ヘルスケア: ディフェンシブで低ベータ。
    サンダース候補の敗色が強まり、不安要素も後退。
  • 米国株: 多様性のある経済。
    金融・財政政策が俊敏で手段を残している。
    バリュエーションと質の組み合わせが良好。

もっとも興味深いのは、つい先日同社のラス・ケストリッチ氏が語ったのと少しニュアンスが異なっている点だ。
こうした相違を眺めているのも、ファクター戦略等を考える上で有益なのではないか。


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