時間選好はいつか戻る:アラン・グリーンスパン

アラン・グリーンスパン元FRB議長が、米国債利回りがマイナスになる可能性に言及している。
米金利が低下を続ける理由を説明しているが、その内の1つが新鮮で興味深い。


米国債利回りがゼロ未満に下がるところに障壁はない。
ゼロには、ある水準という他には意味はないんだ。

グリーンスパン氏がBloombergで話した。
米国債利回りが、日欧のように、マイナス圏に落ち込んでも驚かないし、特別なことでもないという。

グリーンスパン氏は、米国債利回りが低下する理由を語っている。
1つは国境を超えた裁定取引の存在だ。
債券市場は通貨・国境を越えてつながっており、日欧では広くマイナス利回りが浸透している。
米長期債は、そうしたマイナス利回りの債券との間の裁定取引によって利回りが押し下げられる傾向がある。

もう1つは、人々の時間選好だ。
時間選好とは、人々がいつ生じるキャッシュフローにより重きを置くかのこと。


人々がそんなに低利回りの米長期国債を買い続ける理由は、人々の時間選好を変化させる力によるところもあるのかもしれない。

ディスカウンテッド・キャッシュフローの考えを見ればわかるとおり、従来は、人々は近い将来のキャッシュフローを遠い将来のそれより重視するとされてきた。
それを数値化するために、私たちは年数分だけ将来キャッシュフローを割引率で割り引くのだ。
ところが、高齢化が進み、人々は人生50年ではなく100年を想定しなければならなくなりつつある。
将来のキャッシュフロー(この場合はキャッシュアウト)をより考慮しなければならなくなるなら、割引率は小さくならないといけない。
つまり、金利は下がらなければいけない。
あるいは、今より将来が大切と思えば、マイナスにすべきかもしれない。
こんな奇妙な論理を検討すべき状況に私たちは置かれているようだ。

しかし、グリーンスパン氏はその不安を拭い去ってくれる。

何百年もの歴史が時間選好の長期的安定性を示している。
だから、こうした変化は永遠に続くものではない。

時間選好が戻ってくるとはどういうことか。
メカニズムはどうあれ、金利が上がるということではないか。


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