ジム・ロジャーズ氏が、次の弱気相場が人生最悪のものになるとの従来の予想を継続し、その下げ幅について数字を挙げている。
私は以前この映画を見たことがある。・・・
新たなプレーヤーが参加してくる。
ビットコインも1つの兆候だ。
最近のショート・スクイーズも。
ロジャーズ氏がStansberry Researchのインタビューで、中年以上の世代の多くが感じつつある既視感について共有している。
40代以上の人たちならドットコム・バブルや米住宅バブルとその後の展開について記憶があるはずだ。
50代以上なら日本の1980年代終わりのバブルも知っているだろう。
ロジャーズ氏は、さまざまな兆候が再び繰り返されていると指摘する。
そして、過去を見る限り、多少の差こそあれバブルは弾け「たくさんの人が大金を失う」と述べている。
次の弱気相場は私の人生、あなたの人生で最悪のものになる。
50%、60%(の下げ)。
銘柄によっては80%、90%になるだろう。
これはいつも起こってきたことで、終末のようなものではなく、単に物事はそう進むものなんだ。
大きな弱気相場で市場が半値近くまで下げるのはむしろ通常のことだ。
本当に「人生で最悪」となるなら、それより下げ幅がきつくなるのも驚くにはあたらない。
また、バブルの申し子のような銘柄についてほぼ無価値になるのも、過去のバブル崩壊で繰り返されてきた現象だ。
ロジャーズ氏の考えでは、特段大げさに吹いているつもりもないのだろう。
バブル崩壊に備えるのに適した「安全」な投資先を尋ねられ、ロジャーズ氏は、投資の世界に「安全」はないと答えている。
その上で、投資家の選択肢のなさを感じさせるアドバイスをしている。
唯一の逃げ場はもちろん、あなたがやっていることを理解しているなら、空売りだ。
あるいは、現金だ。
でも、正しい(通貨の)現金にしないといけない。
2007-08年の金融危機ではアイスランドが破綻した。
アイスランド・クローナを持っていた人は大きな痛手を負った。
ロジャーズ氏は自身の通貨の選択について、従前どおり米ドルと答えている。
次の混乱期(安全ではないが、皆から安全と思われている)米ドルが買われると予想するからだ。
ロジャーズ氏は、イエレン前FRB議長が米財務長官に就任し、ドラギ前ECB総裁がイタリア首相に推されていることについてコメントを求められ、自分たちや子供たちにとって良いことではないと答えている。
彼らはみんな一緒に働き、よく知った仲で、同じ考えをしている。・・・
彼らはみんな貨幣増発、借金、支出を信じ込んでいる。
ロジャーズ氏の経済政策についての考えはむしろタカ派的だから、よりハト派的な人物ばかりが経済のかじ取りをするのが嬉しくないのだ。
そういう方向のコメントをしつつ、最後にジョークを添えている。
「私はそういう人間ではなく、幸運にも財務長官じゃない。
彼らにとっても幸運だと思うよ。」
ロジャーズ氏は政治や政策についてコメントすることが多い一方、自身が一般人であることもわきまえている。
だから、本当に言いたいことを除けば、あまり尋ねてほしくないのだろう。
インタビューの冒頭にも似たようなニュアンスの会話があった。
インタビュアーがロジャーズ氏を持ち上げて紹介した時のことだ。
「呼ばれたのは嬉しいけど、そんな風に紹介するのはやめてくれ。
私はただの単純な人間なんだ。」
アメリカ人の中では極めて国際感覚を備え、自身を客観視できているおじいちゃんなのだ。
その老投資家が今注目している投資対象は、金・銀(特に銀)を含むコモディティ、さらに、おそらくロシア株だという。
昨年投資した日本株ETFは保有しており、当面買い増しの予定はないようだ。
日本株は新高値を付けるのではないかと推測している。
前回の高値は1990年だ。・・・
そこまで戻りそうで、米国は最高値圏なので、今の時点では米国より日本を選好している。