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ブラックロック 日本株オーバーウェイトの2つの要件:ブラックロック
2020年5月27日

ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのベン・パウエル氏が、世界の株式・日本株について単純明快にコメントしたが、そのロジックがなんとも残念だ。


市場は新たなニューノーマルになりそうなもの、今回は地政学的ニューノーマルを織り込んで改善している。

パウエル氏がBloombergで、米中摩擦を念頭に、市場の現状を解説している。
米中摩擦は貿易で火ぶたを切り、技術、その他もろもろに拡大しつつあるという。
市場はそれを織り込みながら、それでも高値を続けている。
背景には世界の中央銀行・政府による下支え策があると指摘している。
話を聞く限り、経済回復には不確実性が大きく、現状見込めるプラス要因は政策ということのようだ。

ブラックロックは世界の株式を「中立」にしている。
これに対してキャスターから、割高に見える債券との比較において保守的過ぎるとの指摘を浴びている。
パウエル氏の答は、割高に見える債券は悪材料の中でも株式を「中立」にしている1つの理由ということだ。
(少々奇妙に響くのは、ブラックロックは「中央銀行の異常な手段」を理由にクレジットを「オーバーウェイト」としている。)

しばしばそうであるように、誤った行動をとらないよう心掛けている。
『安く売って、高く売る』ことを正しいと感じてしまうように。

世界の株式に対して「中立」だとしても、その中身はまちまちだ。
米国と「日本を除くアジア」を「オーバーウェイト」とする一方、日本とユーロ圏を「アンダーウェイト」にしている。
(ちなみにファクターではミニマム・ボラティリティとクォリティを「オーバーウェイト」、モメンタムを「中立」、バリューを「アンダーウェイト」としている。)

日本株を強気に見てこなかった大きな要因を、パウエル氏は、日本経済が輸出の影響を強く受けるためとしている。
その上で、日本株に前向きになりうる2つの材料を話した。
1つは、まだかなり早い段階としながらも、地域の輸出に再稼働の兆しが見える点。
もう1つは日銀と財務省とのミーティングで、日本にも政策余地があると感じられる点だという。

日本は現状、世界の他の国々より非伝統的政策についてある意味はるかに進んでいる。
しかしそれでも、金曜日、日本でももう少しやれることがあるのがわかった。
今は『アンダーウェイト』だが、もしも世界が何週間、何か月、何四半期かで正常化し、日本に自助の余地があるのがわかれば、日本株に対しより建設的な見方をするようになるだろう。

政策目当てで日本株を買ってもらっても何も嬉しくない。
そうした投資家はチャンスと見てさっと入り、結果が出るとあっという間に去ってしまう。
経済にとってたいした役に立たない。
ただし、相場に一時のさざ波は立つのだろう。


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