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東京証券取引所アローズ 日本株の強気相場はいつまで続く:北野一氏
2020年1月7日

SBI証券の北野一氏が6日のテレビ東京番組で、同氏らしい米国視線に乗っ取った2020年予想を語っていた。


28,500円というのは、1株あたり利益1,500円 × PER 19倍。
(EPS)1,500円は15%増益という状況だ。

北野氏が、今年の日経平均について上昇を予想し、内訳を説明した。
安値は1月の23,500円、高値は12月の28,500円と一本調子の上昇を予想している。
同氏の今年の予想為替レートは1ドル90円。
円高・株高の予想をこう解説した。

円高だから株が下がるという理屈ではなく、(日本)株が上がる状況だから海外からお金が日本に流入して円が上がる、という関係を考えている。

北野氏の目線は多く海外に向かう。
日本市場を動かしている力の多くが海外の動向と考えているのだ。
こうした意識だから、必ずしも単純な《円高=株安》の条件反射とはならない。
もっとも、こうした予想を視聴者はどう受け止めたのだろうか。
詳しい説明の時間を与えられなかった北野氏に代わり、可能性を検証しておこう。

日経平均(青)とドル円(赤)
日経平均(青)とドル円(赤)

円高と株高が共存した主な期間は

  • 1985年プラザ合意後の円高とバブルに向かう株高
  • 1998年保険的利下げ後の円高とITバブルに向かう株高

俄然説得力が感じられるのではないか。
特に、1998年保険的利下げの時期とは、弊サイトで度々類似点を指摘してきた時期である。

北野氏は、今年のEPS成長を14-16%と予想する。
同氏は経験則を紹介する。

「2018-19年は2年連続の減益だった。
2年連続の後にさらに減益となったのは(過去)1993年の1回しかなく、それ以外は基本的には15%増益を期待できた。」

北野氏は明らかに転換点を当てに来ている。
昨年を小さな転換点「景気の底入れ局面」と見て、そこからの回復を予想している。
14-16%と見るとバラ色のように感じる人もあろうが、底では「伸び率は高く出るもの」と淡々と語っている。

他の出演者がリスク要因として挙げた中国経済についても、悲観論は織り込み済みだという。
北野氏は中国経済が底を打ったとは言わなかった。
中国経済に対する悲観的見方がほぼすべて織り込まれたと言ったのだ。
すでに人民元相場は大きく下落済みで、これが米国からの関税をオフセットする構造になっていると指摘した。

北野氏は「底入れ」後の展開について再び経験則を披露する。

過去30年、米国で利下げが終了した時点から1年間での日本株の株価上昇率の平均は29%だ。
ポイントは、ここで本当に利下げが終わったのか、違うのか、だ。
僕は終わったと思っている。

「底入れ」から景気・業績が回復するとの北野氏の想定が当たっている場合、次の疑問は景気拡大・強気相場がどこまで持続するかになる。
北野氏の答は「2・2・2」だという。

原油が2倍になるか、円が20%上がるか、FFレートが1年間で2%来るか。
こういうことがあれば景気は腰折れするが、それがなければ基本的には持続する。

これらは一瞬で実現するようなハードルとは考えにくい。
現時点で早く起こりうるものがあるとすれば、中東情勢の緊張による原油高だろうか。
それにしても、かなりの幅の上昇だ。
景気拡大・強気相場はそんなにも長く続くのだろうか。

北野氏は、2020年のリスク要因として「アベノミクスの終焉」を挙げた。
そろそろアベノミクスの次の政策レジームを考えるべきとし、リスクであるとともにチャンスでもあると予想している。

「アベノミクスが変わる、つまり日銀の政策が変わるということ。
インフレ・ターゲット政策がなくなる。
金利上昇のリスクでありチャンスだと考えている。」

経済・市場のリスクにおける「炭鉱のカナリア」は何かとの問いには「情報弱者の投資戦略」を奨めている。

「我々は1人でやっているが、FRBは何千人がやっている。
彼らの景気認識の結論が金融政策に現れてくる。
炭鉱のカナリアではなく、一致指数として米金融政策を重視するとよい。」

具体的には、FRBの金融政策のステップごとに有効な投資戦略が存在すると話した。

利下げが終わったところで株を買おう
これが昨年の保険的利下げの打ち止め時だった(少なくとも北野氏はそう思っている)わけだ。
多くの市場参加者が市場のメルト・アップ(弊サイトでは最後のひと上げ)到来を感じ始めた頃だ。

利上げが始まったところで割安株から成長株に乗り換えよう
利上げが始まると経済・市場には向かい風が吹き始める。
一方、日本の経済・市場ではドル高の恩恵を受ける。
こうした局面でも生き残るのが一部の成長株だ。
浜町SCIの年初の推奨でも筆頭に挙がっている。)

利上げが終わったところで株から債券に乗り換えよう
成長株と言えども、大きな景気後退・弱気相場には抗い切れない。
最後にはダウンサイドの少ない資産に逃げ込むしかない。

北野氏は2020年のダウ平均を31,200と予想する。
これも強気予想ではあるが、今年は日本株が米国株をアウトパフォームする可能性があるとして「2020年は日本株100%」と書いている。
一方「長期投資のコツ」となると景色はだいぶ異なる。

日本株20%、海外株30%、現金50%

詳しい説明はなかったが、現金とは(お札や貨幣とは思えないから)預金や比較的短い債券などを指すのだろう。
株式投資とは「30%ぐらい下がった時に集中的に買う」ことだとし、「あとは淡々と」と話す。
つまり、景気や相場の底で買う時以外は、待機資金を多く持っておけということだろう。

北野氏は、金融資産の中での50%が決して過大ではないもう1つの理由を語っている。

専門家に聞くと『貯蓄から投資へ』という話になるが、日本人は不動産をかなりたくさん持っている。
不動産をリスク・アセットと考えると、日本人とアメリカ人のリスク・アセットの保有比率はそれぞれ60%ぐらいであまり変わらない。
その中で株と不動産の比率が大切になってくる。
金融資産だけで考えれば、それ相応に現金を持っておく必要がある。


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