日本政府は素晴らしい仕事をしている:イェスパー・コール

元JPモルガンの日本経済アナリスト イェスパー・コール氏が、日本の足元の経済状況に太鼓判を押している。
その視線は、国民の幸福により近い消費に向かっているようだ。


「いいや。
面白いのは、世界経済が弱くなる中で日本の国内経済は順調に成長している点だ。」

消費増税が日本に災難をもたらすかとBloombergで尋ねられ、コール氏が即座に否定した。
小売業、住宅、クレジット・カード、消費ローンなどの分野を挙げ、消費等の盛り上がりが見受けられる点を根拠に挙げている。

コール氏は、日銀が追加緩和に踏み切る可能性が高くないと予想する。

「日銀は最も強力な金融緩和を行っている中央銀行だ。
金利を見ると、短期側はマイナス、10年債利回りにはキャップがある。
この観点から、金融政策は極めて緩和的と言える。」

コール氏の認識では経済は堅調だし、金融政策は十分に緩和的だ。
もしも政策対応が必要とされるようになるなら、金融政策より財政政策がまず選択肢になると言う。

「安倍首相の下すでに補正予算が成立している。
仮に世界経済がさらに弱くなるようなら、日本はさらに追加的な財政政策を講じるだろう。
状況がとても悪くなれば、消費増税の延期もありうるだろうが、それは世界経済が停滞した場合に限られるだろう。」


コール氏は最後に信念を感じさせる発言をしている。

いいニュースなのは、国内の競争が激化していること。
私も消費者として、生産者が提供する安い価格の恩恵を受けている。

冒頭、コール氏が日本経済を堅調とした根拠は輸出ではなく消費等だった。
いまだ外需頼みの経済政策に依存し続ける日本では、経済を語る時、とかくサプライサイドの論理がまかり通る。
需要を外から得る効果は大きいから無理もないとは言え、GDPの2割に見たない輸出を優先し、5割を超える民間支出を軽んずるわけにはいかない。
コール氏の視点は5割超の方に向かっているようだ。

「日本政府は素晴らしい仕事をしている。
消費者の購買力を高めるために通信費を切り下げたり、薬価引き下げを命じたりしている。
規制されている価格については今年2-3%程度の低下となるだろう。
これが消費者の購買力を高める良い効果を生んでいる。」

コール氏は以前、著書『本当は世界がうらやむ最強の日本経済』の中で2点疑問を呈していた。

「日本は本当に深刻なデフレだったのか。
そもそもデフレは悪いことなのか。」

1990年代に経験したような資産デフレが壊滅的なものだったことを否定する人はおるまい。
しかし、2000年以降のスパイラルを引き起こさない程度のデフレ/ディスインフレが停滞の主因であるのかについては疑問を持つ人も多い。
そして、この6年で日本が証明したのは、仮に小幅なデフレ/ディスインフレがすべての元凶であったとしても、金融政策でそれを取り除くことはできそうにないということだ。


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