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日本人が目下のリスクを取り払う:デビッド・テッパー

アパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏が、黒田日銀総裁の発言を起点にして米国株市場に対する強気スタンスを強めている。


『黒田日銀総裁は(長期金利の)変動幅を拡大しないことで、市場参加者を失神させた。』

テッパー氏が黒田日銀総裁の発言を手がかりに強気スタンスを強めているとCNBCが伝えた。
黒田総裁の発言とは、5日の衆議院財政金融委員会での答弁のこと。
この中で、現在プラスマイナス0.2%としている変動幅について拡大の必要はないと答えている。
テッパー氏からすれば、それが自分や市場参加者にとってサプライズだったらしい。
10年債利回りは4日の0.13%から5日は0.09%に低下した。

『5年以上にわたって日本は米国債を売ってきた。
米10年債利回りが1.6%になって、ついに買い手になるだろう。
日本の10-30年債との比較で米10年債は割安で、良い利益が取れる。』

円長期金利が上昇しないと受け取ったテッパー氏は、ドル長期金利上昇が日米金利差にそのまま効いてくると解釈。
これ以上の金利差拡大なら、日本人が米国債を買い戻し始めると読んだようだ。

『これがリスクを取り除いた。
現在、弱気になるのは極めて困難だ。』

日本を初めとする外国勢が米国債投資を積極化すれば、それは、米長期金利上昇を抑える要因となる。
(為替への影響は、ヘッジの有無によって直接的な結果が異なってくる。)
結果、目下の米市場最大のリスクである金利上昇に歯止めがかかるかもしれない。
テッパー氏はこれを材料に強気スタンスをさらに強めたのだ。

日本勢が本当に米国債投資を積極化させるかは眉に唾を付けて聞いた方がよいかもしれない。
米国債投資にはドル安のリスク、金利上昇で価格が下落するリスクがともなう。
この点は他の地域の投資家も同様だろう。

テッパー氏は、米長期金利について短期的な予想を述べたという。

『米10年債利回りは少なくとも数か月で見てレンジの上限にある。
新たなレンジはおそらく1.3-1.7%となるだろうが、今ははるかに安定的になるだろう。
今みんなが話している10年債利回り3%というような話とは真逆のことだ。』

テッパー氏は、この金利見通しとともに財政出動の要因を挙げ、足元の株式市場について極めて強気な相場になりうると話したという。

テッパー氏は、2010年の強気予想で有名だ。
その予想は的中し、コロナ・ショックまで10年続いた強気相場は「テッパー・ラリー」と呼ばれている。
現在はNFLカロライナ・パンサーズのオーナーとして毎日メディアに取り上げられているが、節目節目での投資に関する発言は今でも注目を集めている。

テッパー氏は個別銘柄についてもコメントしたようだ。
近時調整が進んでいるAmazon株について、割高ではなくなり、魅力的になったと語ったという。

『恒久的な変化が起こり、以前は店にTシャツを買いに行っていたが、オンライン注文できるなら二度と店に行かなくなるだろう。
多くの恒久的な変化が起こっている。』


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