国内経済

日本に訪れる本当の試練:伊藤隆敏教授
2020年8月7日

伊藤隆敏コロンビア大学教授が、日本に訪れる「試練」について語っているが、茹でガエルと化した日本人からするとかなり近く感じられる時期が予想されている。


黒田総裁は、2%物価目標を達成するという使命を堅持すると述べ、日銀の政策を強く擁護した。
財政当局は与えられた使命のためあらゆる手段を講じている。
それが同じ方向を向いている。・・・
黒田総裁は、これが純粋に偶然だとし・・・日銀は独立性を失っていないと言った。

伊藤教授がBloombergで、コロンビア大学主催のオンライン・イベントでの黒田総裁の発言を紹介した。

米国における近年のMMT提唱者は、日本こそMMTが機能する実際の証拠だと主張した。
つまり、日本では長い間財政従属の状態が続き、それが膨大な政府債務を支えてきた《好例》というわけだ。
コロナ・ショックにより他の国々でも財政が急激に悪化する中で、MMT、ヘリコプターマネー、マネタイゼーション等々がより現実のものとなっている。
当然、先進国の中で最も債務が多い国の1つである日本に注目が戻ってくる。
日銀の独立性を改めて疑う人が増えても不思議ではない。

伊藤教授は、日銀が自らの使命を果たしている点を認めつつ、その結果について冷めた客観的分析を下している。

アウトサイダーとして言うべきなのはおそらく、MMT提唱者、日銀の政策、他の中央銀行の政策が外見上同等だということなのだろう。

もっとも、事の真偽はともかくとして、どれだけ独立性を疑われようが、日銀の答は1つしかありえない。
独立性は保たれている、と言い続けるしかない。
その答を信じない人であっても、日銀がそう言い続けざるをえないことには同意・同情するだろう。

日銀の政策が外形上であれMMT等々と同等であり、仮にMMT等々が大きな混乱を引き起こすリスクを孕むとするなら、やはり日本は危ういところに立っていることになる。
伊藤教授は、意外と早い時期に日本が試練に直面しうると話している。

本当の試練は、中央銀行が物価目標を達成し、インフレ率が目標を超え、中央銀行が金融引き締めを望む時にやってくる。
その時、何が起こるか。
本当の試練が訪れるのは、現在の危機・停滞が終わった時だ。
つまり2022年あたりまでにはやってこない。


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