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日本が確たる証拠なんだ:ジェフリー・ガンドラック

ジェフリー・ガンドラック氏による1月8日ウェブキャスト第3弾: マイナス金利政策への嫌悪感が語られている。


米銀株は欧州株を極めて大きくアウトパフォームしている。
マイナス金利にならなかったためと、単に銀行システムが頑強だったためだろう。

ガンドラック氏が8日のウェブキャストで、マイナス利回り・マイナス金利政策の弊害を指摘した。
同氏は、邦銀・欧州銀・米銀の株価指数を1995年以降で比較している。
まず、悲惨なまでに下げたのが日本だ。

日本が先頭を切ってマイナス金利になり、最長の期間マイナスとなっている。
すごいのは、1995年から2019年末までで東証銀行業株価指数は80%も下げている。

1995年と言えば、バブル崩壊からすでに4-5年経過しているから、そこからの8割は相当なものだ。
このすべてが低金利/マイナス金利のためではないだろうが、要因であるのは事実なのだろう。

次に、欧州銀は少し事情が異なる。
世界金融危機までは米銀と匹敵するパフォーマンスを上げていた。

欧州銀は1995年から世界金融危機までは米銀と同程度上昇した。
そして、ほぼ同程度下落した。
・・・欧州もマイナスになった。
・・・株価は過去25年で12%下落した。

この12%がマイナス金利のためかどうかはわからない。
しかし、米銀株が回復する中で欧州銀株が回復しなかった理由の1つは低金利/マイナス金利なのだろう。

ガンドラック氏の結論はこうだ。

マイナス金利は一定の期間後、最終的に銀行に致命的だ。
マイナス金利では銀行は利益を生めなくなる。
日本が確たる証拠なんだ。

ガンドラック氏が言ったのは、マイナス金利が銀行の収益を圧迫するということ。
確かに銀行は気の毒だ。
問題は、それが社会にとってどういう意味を持っているのかだ。
銀行がある程度の収益を上げることが社会にとって必要なのかどうか。
もちろん共産主義者を除けば、金融仲介機能の重要性を認めるというのがコンセンサスだろう。
裏返せば、銀行が収益を上げられなければ、信用創造を阻害しかねない。

米国におけるマイナス金利の不人気は相当なものだ。
資本主義の国でマイナスの利回りは受け入れ難いという文化的な背景もあるのかもしれない。
米国でもマイナスの実質金利は存在するのに、マイナスの名目金利には特に冷淡だ。

ガンドラック氏は、政策手段の選択肢を狭めるべきでないとする声にも強く反対している。

パウエル議長はマイナス金利に否定的だが、FRBはマイナス金利に肯定的との声が出始めた。
ベン・バーナンキやジャネット・イエレンなどだ。
両氏ともに、パウエル議長がマイナス金利を検討すべきと言っている。
私はマイナス金利に否定的なパウエル議長を大いに称えたい。

めったにパウエル議長を褒めないガンドラック氏だが、この1点ではパウエル議長に合格点を出したようだ。

ガンドラック氏は、米イールド・カーブのスティープ化を予想している。
これが米銀株にとって「いくらかプラスになる」だろうと話した。


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