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新興国市場の狙いどころ:マーク・モビアス

新興国市場投資の大ベテラン マーク・モビアス氏が、新興国市場における為替相場の見方と投資のターゲットについて話している。


すべての新興国市場についてみんなが注目しているのは通貨だ。
顧客と新興国市場について話す時、最初に受ける質問は通貨であり、通貨のリスクだ。
もちろん中央銀行は通貨の安定、ボラティリティの小さな通貨に対する責任を負っており、中央銀行総裁が首を挿げ替えられればパニックが起こる。

モビアス氏がBloombergで、最近のトルコ・リラ急落に関連して、新興国市場への投資家の心配事を解説した。
もっとも、同氏自身はいつものように楽観的だ。
モビアス氏が材料に挙げたのは、トルコ中銀総裁交代の声明文において新総裁の目標がリラ相場の安定と書かれている点だ。
パニックによるリラ安の反応は自然なものだが、中身を見れば過剰反応に見えるという。
同氏は、じきにリラ安は終わり、リラ相場は安定すると予想している。

私たちが注目しているのは購買力平価で、通貨が上げるか下げるかの1つの指標にしている。
その通貨が安くなる、あるいは安くならないなら、その弱さにより恩恵を受ける株式を選別する。
ある意味、通貨安は私たちのパフォーマンスの助けになってくれる。

通貨安には良い面・悪い面の両方があると念を押したものだろう。
通貨安で(現地通貨建での)株価が上昇すれば、通貨安のマイナスをいくらかオフセットする。
通貨高もまた然りだ。
ポジティブな面を押し出すのが好きなモビアス氏は「通貨(安)は価値を減じるものではなくて、助けてくれるものだと強調している」と話す。
確かに、純輸出国や輸出産業ではこの傾向が強い。
逆もまた然りだ。

モビアス氏は、世界的なインフレや為替の動向について楽観的だ。

「新興国、欧州を含む世界は、米インフレ(CPI)が大きく変化することはなく、したがって自国も同様の状況による打撃は受けないと結論している。・・・
2つ目に、現政権の大きな財政支出により米ドル安が進むだろう。・・・
これも、新興国市場にとっては朗報だ。」

紹介するまでもなく、モビアス氏は新興国市場投資の草分けだ。
その新興国市場は、コモディティ相場と強い関係がある。
実際、これまでの新興国市場の活況はコモディティ市場の活況とともに進んだ面がある。
しかし、モビアス氏は、コモディティ関連の領域には投資してこなかったと明かす。
1つの理由として、同分野が抱える環境問題を挙げている。
おそらく、この1年弱に限るなら、大きな利益を取り逃したはずだ。
しかし、背景には、コモディティ以外により魅力的な分野が存在するとの確信があった。

私たちはIT、ソフトだけでなくハードに、集中すると決めたんだ。
コンピューター向けICや半導体に組み込むソフトなど、重要部分を構成するものを物色している。
テクノロジーとインターネットの爆発的展開は長い間続くだろう。
もちろん、コロナ禍の中で加速してきたが、この先も引き続きこうした財・サービスへの需要は続くはずだ。


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