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新興国市場に千載一遇のチャンス:モハメド・エラリアン
2019年12月16日

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、欧州経済の失速を指摘し、条件付きで新興国市場における投資チャンスを奨めている。


市場は『欧州が底を打った』というセリフと恋に落ちたようだ。
市場は期待外れの結果を見ることになる。
景気後退リスクについていえば、欧州で転倒しているのは黄信号ではなく赤信号だ。

エラリアン氏がBarron’sのインタビューで、欧州の厳しい経済環境を解説した。
同氏は従前から、先進各国の過度な金融政策依存の問題を指摘してきた。
多くの国・地域の金融緩和においてむしろデメリットの方が大きくなっていると警告してきた。
本来なら、金融政策以外の政策の出動が望まれるところだが、エラリアン氏によれば、欧州には何の成長戦略の兆しも見えないという。
ドイツから何か新たな政策が出てくる可能性も当面低く、欧州はすでに「失速」しているという。

「成長率は1%未満。
一たび失速すれば、景気後退リスクは大きくなる。」

さらに、現在は顕在化していないが、もう1つ大きな潜在的リスクが存在するという。
それは米国による欧州に対する自動車関税だ
現在俎上に上がっているシャンパンやチーズなどと比べ、自動車関税が経済全体に及ぼすインパクトは大きく、すでに低迷している同セクターがさらなる困難を迎えるだろうという。

一方で、エラリアン氏は新興国市場にチャンスがあると語っている。
チャンスの源はトランプ大統領の理不尽な通商政策だ。

「ブラジルやアルゼンチンの人たちにとっての大きな謎は、なんでこんな関税が課されることになったのかということだ。
大統領は競争的な通貨安誘導を挙げた。
アルゼンチンの側に立てば、政府であれ家計であれ企業であれ、間違いなくこれほどのペソ安を望んではいない。
ここまでペソ安になった原因はファンダメンタルズ上の深刻な問題だ。」

ファンダメンタルズに深刻な問題を抱える新興国市場に米国が理不尽な関税で追い打ちをかける。
これがオーバーシュートの可能性を生み、機敏な投資家にとってはチャンスになりうるのだ。

(新興国市場では)投資家層がショックを吸収できるほどの深みを持っていない。
だから、オーバーシュートが起こりえ、私の投資キャリアの中で新興国市場に投資する最良のチャンスだと思う。
優良企業を・・・本当に安い価格で買うことができるだろう。

ただし、エラリアン氏は、新興国市場を押しなべて推奨しているのではない。
新興国市場のインデックスに投資すべきではないとし、投資対象を個別に選別すべきと話す。

「特に3つのことを強調すべきだ。
とても頑強なバランスシート。
2つ目は、外の世界に向いた良い事業モデル。
3つ目は、良い経営陣だ。」


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