バブルの研究家として有名なGMOのジェレミー・グランサム氏が、いつになくピンポイントで悪い予想を断言している。
このレベルの明白な超熱狂に達した場合、バブルは常に例外なく、数年ではなく、数か月のうちに壊れるものだ。
いつもだ。
この絶頂近い水準は維持できない。
グランサム氏がBloombergで、とても差し迫ったバブル崩壊の予想をしている。
今後数か月のうちに現在の市場の熱狂が限界を迎え、バブルが弾けるというのだ。
近年グランサム氏がこれほどまでに具体的かつ不吉な予想を語ることはなかった。
バブルの研究家の経験則を信じるなら、投資家はリスク・シナリオのウェイトを増やしておくべきかもしれない。
維持できない理由は、みんなが最後の賭け金を賭けてしまったためだ。
オール・インしてしまったんだ。
それ以上何ができるだろう?
もうお金を借りれないし、リスクも取れない。
すでに投資家が賭けられるお金を賭け切ってしまったというのがグランサム氏の見立てのようだ。
グランサム氏は、投資家も(仮に忘れているにしても)自覚しているはずという。
すでにみんな自分が考えていた以上のリスク・テイクをしてきており、伸び切っていると。
Bloombergは、再びFRBが市場の救済に入れば現状を維持できるのではないかと質問している。
グランサム氏は、刺激策は設備投資など実体経済をほとんど助けず、金融市場に流入することになると指摘する。
刺激策の規模が話しているとおりならば、それは市場のピークをもたらす絶好の材料になる。・・・
足される賭け金で数週間持ち、数週の間、最後の自暴自棄のチップをゲームに投じることになる。
そして、もっと壮大な破裂となる。
グランサム氏は、市場にプラスとも思える追加刺激策が、数週間の時間延ばしにすぎず、傷を深くするだけと考えているようだ。
ゲームが終われば株価はファンダメンタルズに向かって調整せざるをえないと述べる。
同氏は決して終末論者でも泡沫予言者でもない。
むしろ正統派のバリュー投資家だ。
そのグランサム氏が、いつになく確信をもって悪い将来を予想している。
「市場は、私たちがどこで終わるか知っているとおりのところで終わる。
世界中の紙幣は、配当・利益のフローで正当化される(株価)水準を変えることはない。
結局、最後に投資家が得ることができるのは配当のフローだ。
遅かれ早かれ、株式市場は再び、将来の配当フローを材料に退屈極まりない売りとなる。」
通常市場の大きな転換点を予想する場合、数か月といった短い幅で予想するものではない。
そうすれば、的中の確率が低くなるのが目に見えている。
グランサム氏のこれほどの自信はどこから来るのだろう。
さまざまな理由がありそうだが、中でも市場参加者の挙動が大きなウェイトを占めているようだ。
これは貨幣的なゲームだ。
信頼感が上昇する限り、貨幣的バブルはとても長期間維持できる。
しかし、信頼感が現状のレベルに達すると、歴史の本が明確に示すのは、今日の軽いヒステリーから熱狂を高めるのがとても難しいということだ。
2021年1月 ジェレミー・グランサム氏インタビュー
- CNBC:バブルを乗り切るための投資先選び:ジェレミー・グランサム
- Bloomberg:数か月以内にバブルが弾ける:ジェレミー・グランサム
- Bloomberg:バブル崩壊後もバリューは出遅れるのか:ジェレミー・グランサム