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ハワード・マークス 救済されるべき理由:ハワード・マークス
2020年4月15日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、コロナ・ショックからの回復プロセスやこれまでの政策対応についてコメントしている。


最も厳しい問題の1つとして、社会や指導者がどのようにウィルスによる死者の最小化と経済再始動の間の折り合いをつけるか、が残っている。

マークス氏が14日付メモで書いている。
メモでは、コロナウィルスを制御するまでに成し遂げなければいけないこと、その後に社会活動を正常化させる段階で生じるであろう課題などが丁寧に列挙されている。
そして、抽象的ながらも経済回復についてのマークス氏の見通しが述べられている。

単なる政府からのメッセージだけでは、みんな(もしも選択肢なら)仕事を含む以前の習慣に戻りにくいだろう。
そうでなく、前進と後退が交互に来る時期によるが、ワクチンが完成するか集団免疫が出来上がるまでは、経済の再始動は緩慢になる可能性が高い。

つまり、市場の一部にあるような、経済がすぐに元通りになるというシナリオは考えにくいというものだ。
ワクチン・集団免疫・治療法なくしては、なかなか元の生活には戻りにくい。
これはもはや独特の予想ではなくコンセンサスだろう。
そして、不況もまたコンセンサスになりつつある。

マークス氏らは1か月前までは世界不況について考えていたという。
世界不況がコンセンサスになったことで、同氏の興味は次に移った。
今回とられた様々な政策の長期的な影響である。
マークス氏は、インフレ・格付低下・準備通貨ステータスの喪失など様々な心配事を挙げている。
中でも同氏は、ひどく不人気であろうトピック、救済の是非について言及している。

『破産のない資本主義は、地獄のないカトリックのようなものだ。』
この言葉はぐっとくる。
市場とは、参加者が損失に対して健全な恐怖を持つ時に最も良く機能する。
それを根絶やしにするのは、FRBや政府の役割ではない。

今回は違う、という人もいるだろう。
新型コロナ・ウィルスは天災なのだから、損害を被っている人に罪はないと。
それは正しい認識だ。
しかし、だからといって、損害を被った人、特に市場参加者は自動的に誰でも救済されるべきなのか。

マークス氏は、投資家や経営者にはるかに高いモラルを求めている。

ありそうにない(そして予見もできない)ことは時々起こるものだ。
投資家やビジネス・パーソンは、その可能性を認め、その結果に耐えることを想定しなければいけない。・・・
資本家を傷つけたイベントが予見不可能だったというだけで、どうして救済されるべきなのか、私には理由がわからない。

マークス氏は、FRBが投資適格社債・ジャンク債を買い入れることが生むモラル・ハザードを心配している。
同時に、想像を超えてきた政策対応を楽観して、本質的な事態はまだ悪化しているように見えるのに、値を戻していく市場に危うさを感じているようだ。


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