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政権が物価上昇を糊塗し始めた:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、物価上昇を軽視し続けるバイデン政権を批判し、経済政策の成果が出ていると主張するなら刺激策を取りやめるよう促している。


ホワイトハウスの経済顧問が今日、大きく価格が上昇している項目を除外すれば、問題となっている食料品のインフレは低くなるといった。
こういうのに反論するのは難しいが、人を大いに奮い立たせるような議論ではない。

ガンドラック氏が9日、バイデン政権の経済顧問の発言についてコメントした。
あきれて反論する気持ちも起きないとの含意だ。

この発言をしたのは米国家経済会議のブライアン・ディーズ委員長。
オバマ政権時代に同会議の副委員長、行政管理予算局副長官を務め、最近まではブラックロックに籍を置いていた。
Yahoo Financeによれば、委員長の発言は次のようなものだったという。

「食料品価格全体のインフレの約半分は3品目の価格上昇によるものだ: 牛肉・豚肉・鶏肉等だ。
牛肉・豚肉については過去数か月2桁の価格上昇が見られる。・・・
これら3つの分類を除外すると、物価上昇は歴史的正常値に沿ったものになる。」

確かに民主党の党員や支持者に比較的ベジタリアンが多いのは事実だ。
バイデン政権がベジタリアンのための経済政策を行うというなら、実にまっとうな分析である。
日頃はリベラルな報道が多いYahoo Financeも、批判的な書きぶりとなっている。
フロリダ州選出の共和党下院議員のツイートを紹介している。

「ありがとう、ブライアン・ディーズ。
東海岸・西海岸のエリートたちをそれ以外のアメリカ人が嫌う理由をまた証明してくれた。」

もっとも、こうした怪しげな議論のやり方は民主党だけのものではない。
ニクソン政権でFRB議長となったアーサー・バーンズは、積極的に物価指数から都合の悪い項目を除外した。
FRBでその現場に立ち会ったスティーブン・ローチ氏によれば、最後には品目が35%しか残っていなかったのだという。
FRBが除外しようがしまいが、市民が支出する品目のバスケットではインフレが進んでいた。
こうしてバーンズ議長(当時)はみごとに1970年代から1980年代初めにかけての高インフレ時代の確固たる基礎を築いたのだ。
程度は違えど歴史が《韻を踏む》のではないかと心配する人がいるのももっともだ。
経済顧問の不用意な発言は、意に反して、それを後押ししかねない。

ガンドラック氏は、連邦政府に注文をつける。

私は連邦政府に対し、経済面の成功を宣伝するのと同時に『刺激策』を実施するのをやめるよう懇願する。

政治家は、自分たちの政策が経済を良くしたと自画自賛する傾向が極めて強い。
ところが、多くの場合、その瞬間にも財政・金融政策がかなり踏み込んだ領域にあることが多い。
政策の真価は、アクセルを元に戻した後に評価されるべきなのに、先食いの手柄だけを主張する。
割に合わない仕事はどんどん若い世代へと付け回されていく。


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