ウォール街

推奨と逆を行く米銀経営者たち

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米大統領選後のリフレ・トレードでは、金利上昇で恩恵を受けうる米金融株が買い時との投資推奨が目立った。
ところが、推奨する側の米銀のインサイダーたちは今年に入って逆の行動をとっているらしい。


米6大銀行の経営者・取締役は今年、自行の株式について一貫して売ってきている。

FTは分析の結果こう結論づけている。
6大銀行とはJPMorgan Chase、Bank of America、Wells Fargo、Citigroup、Goldman Sachs、Morgan Stanleyの6行。
米国の商業銀行、投資銀行の最大手だ。
インサイダーによる売却と購入の割合は14:1に及ぶという。
昨年は3行で購入が勝っていたというから、明らかな変化があったのだ。


FTは、銀行経営者による自社株売りの要因を「トランプ大統領への幻滅」と表現している。
就任当初は銀行経営に有利な政策の実行が期待されたが、長引く政治的混乱で実現がおぼつかなくなってきた。
トランポノミクスのリフレに寄与しうる政策(減税、インフラ支出、規制緩和)の展望は明るくない。
記事では「銀行株がトランプ政権の政策の『バロメーター』になった」との声を伝えている。

いや、銀行株は政策だけのバロメーターではあるまい。
市場・経済の先行きのバロメーターでもある。
銀行株が上がらないのは、市場が懐疑的になっている証拠だ。
インフレにならないのではないか、金利は上がらないのではないか。
そして、ディスインフレや低金利は経済の弱さのシグナルであろう。

「昨年JP Morgan会長兼CEOジェーミー・ダイモン氏が自行の株式50万株を買った時には、銀行株のミニ低迷の終焉を宣言したかに見えた。
しかし、今年は銀行トップのインサイダーから、そうした確信のアピールはない。
トランプ氏の下での大きな上昇は終わったと恐れているようだ。」

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