拮抗する2つのナラティブ:ロバート・シラー

ロバート・シラー教授が、米国株市場について油断は禁物と話している。
市場には下げに対する2つの正反対のナラティブが存在していると指摘している。


「分別があり、見せかけやスタンドプレーを用いない。
彼はすばらしい仕事をしている。
私だったら再任させる。」

シラー教授がCNBCで、ジェローム・パウエルFRB議長を「真のプロ」と称賛した。
トランプ大統領がさかんにFRBにプレッシャーをかけている点に関してのコメントだ。
シラー教授は、トランプ大統領がサウンドするFRB高官人事について「FRBを政治化し、専門家から奪い、自分の取り巻きたちに指揮させようとしている」と心配している。

一方、国家にとってよいことと市場にとってよいことは必ずしも一致しない。
それはFRB人事もそうだし、大統領選挙もそうだ。

シラー教授は、トランプ大統領の再選は株式市場の上げ要因になるとし、3つの理由を挙げている。

  • プロ・ビジネス
  • FRB人事:「ジェローム・パウエルFRB議長の任期が満了した時、彼は誰かもっとコントロールでき、心配することなく経済を刺激する人物を後任に充てるだろう。」
  • 消費のモデル:「トランプは豪奢な生活と大金を消費するモデルになっている。」

トランプ大統領は大統領選中とは真逆にFRBにただただ緩和を求めている。
しかし、FRBは今のところ政治からの圧力に屈していないように見える。


シラー教授は、FRBがいったん停止した利上げを年内に再開する可能性は十分にあると話す。

「ドット・プロットを見る限り、FOMCは一枚岩ではない。
もう1つ忘れてはいけないのは、経済見通しを予想するのが純粋な科学ではないことだ。
再び利上げせざるをえなくなる出来事が起こる可能性がある。」

利上げが再開するなら、よほどの経済の好転がない限り、株式市場にもいくぶんブレーキがかかるだろう。
こうした様々な可能性が、市場の先行き予想を難しくする。

シラー教授は投資家の側にも注目し、米市場に存在する2つのナラティブを紹介する。

  • 楽観: 2018年の2回の調整ではいずれもリバウンドしたから、今後もそうなるとの楽観。
  • 悲観: 最近の調整は、より大きなイベントの前兆との悲観。

真逆のナラティブが拮抗している。

投資家が今後の下げ局面にどう反応するかは予見できないとシラー教授はいう。
足元はボラティリティも低く平穏な日々が続いているが、油断は禁物と話している。

今は心を揺さぶられ、気をしっかり持つ時期だ。
今後どうなるか注視しないといけない。


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