弱気派エコノミストのデービッド・ローゼンバーグ氏が、現株価倍率を「バカげた」水準とし、指数などは買わず現金を持つことを奨めている。
私のアドバイスは、ヒーローになろうとしたりモメンタムを追いかけたりしないこと。
私は現金を持っているが、急ごうとは思わない。
特に主な指数を買い急いだりしない。
ローゼンバーグ氏がFinancial Postで、上昇に乗り遅れるのを恐れて買い急がないようアドバイスしている。
個別のセクターや銘柄ならばまだしも、幅広い指数では調整が来ると考えているようだ。
同氏が奨めるポートフォリオ配分は
現金25%、長期債25%、金(ハード資産全般)25%、アジア株25%
最近流行りの1/4ずつ配分するポートフォリオになっているが、長期債とアジア株が入っているのが興味深い。
この配分を読み解く上で、ローゼンバーグ氏の米経済見通しを確認しておこう。
「FRBほど大っぴらに緩和的政策を約束している中央銀行は他にない。
FRBほどマネー量を増やしている中央銀行もない。
今回のペースは1970年代のそれがばからしくなるほどのものだ。
当時と今が異なるのは、現在の極めて大きなデフレ的GDPギャップが、2008年終わりのグレート・リセッション(リーマン危機)と同程度であるということだ。」
インフレが猛威を奮った1970年との比較で、FRBの金融政策がはるかでリフレ的であると述べつつも、現状の経済は大きくデフレ的であると指摘している。
つまり、短中期でデフレ的、中長期でインフレ的になりうるとの見方だろう。
だから、ポートフォリオの配分はその両方に目配せしたものでないといけない。
これは長い間、実質金利がマイナスのままとなることを意味し、長期資産に対して強気であるべきとなる。
だから、私はこの債券利回りの再上昇が短期的調整だと考えている。
ハード資産に対しても強気であるべきであり、米ドルには弱気であるべきだ。
ローゼンバーグ氏は、短期的なデフレ的局面で長めの金利が再び低下(長期債価格が上昇)する可能性を見ているのだろう。
金については、インフレやドル安誘導に対するヘッジとして有効と書いている。
その他、買える資産クラスとして、エネルギー株に言及した。
現金は投資対象としてではなく、ドライパウダー(新規投資のための資金)として必要と述べている。
こんなバカげた(株価)倍率だと、手許現金が欲しくなる。
現金がなければ、みんなが教わった通り押し目買いをすることができないからだ。
次の20%の下げが買いたいと思わせる押し目になるのを認めよう。
でも、押し目買いの手段を確保しておかないといけない。