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投資適格社債がジャンクになる理由とその後:ムーディーズ

格付会社ムーディーズが、投資適格から投資不適格(ジャンク)へと格下げになった社債(いわゆるフォールン・エンジェル)の特徴について分析している。


大多数の投資適格の企業は5年のホライズンで投資適格のままでいるが、格下げの直接の原因や長期的な信用度の変化を含むフォールン・エンジェルの特徴を理解することは重要だ。

ムーディーズがレポートで、フォールン・エンジェルへの理解を進めるよう投資家に促している。

米社債については多くの投資家から心配する声が上がっている。
債券王ジェフリー・ガンドラック氏はたびたび、BBB格の社債のレバレッジ拡大・信用度低下について警告している。
この他、スコット・マイナード氏、ポール・チューダー・ジョーンズ氏など同様の指摘をする人は少なくない。
景気後退と格付というと、サブプライム/リーマン危機の時の仕組み商品の格付のことが思い出される。
格付会社がこぞって高い格付を付していた商品が総崩れとなったことだ。
結果《今回は社債か》という恐怖感を掻き立てかねない。
問題は、こうした恐怖感が理にかなったものなのかだ。


ムーディーズは、同社が格付けを付した事業会社で、1999年1月から2019年4月までにフォールン・エンジェルとなった659社について内容を分析している。

  • 半数近くは産業へのストレスが高まった時期に発生。
    2001-03年はエネルギー・通信・公益セクター、2015-16年はエネルギー・コモディティ。
  • 金融危機の間もフォールン・エンジェル率は落ち着いていた。
    金融危機やマクロ経済サイクルは、事業会社のフォールン・エンジェル率にそれほど大きくは影響しない。
  • フォールン・エンジェルになった時の格付けが低いほど後にデフォルトしやすい。
    フォールン・エンジェルになった時の格付けが高いほど後に投資適格に格上げされやすい。

やや意外なのは2番目の傾向だろうか。
もしかしたら、世界は金融経済の拡大に寛容すぎたのかもしれない。

原因分析

要因 構成比
企業固有 42%
産業ストレス 26%
金融政策+LBO 19%
ソブリン関連 11%
規制 2%

フォールン・エンジェルのその後

現状 構成比
投機的のまま 46%
投機適格に復帰(ライジング・スター) 25%
デフォルト 15%
格付取り下げ 18%

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