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投資家が陥りがちな落とし穴:ジェレミー・シーゲル
2020年6月25日

ジェレミー・シーゲル教授のBloombergインタビュー第3弾: 金融政策についての考え方、推薦図書、アドバイスが語られている。


デフレは本当に有害だ。・・・
1930年代にそれを防がなかったのはひどい間違いだったとFRBは認めている。
もしも準備預金を供給し銀行を生かしておけば、1929年から32-33年までにCPIが30%も大幅に低下することは防げたはずだ。

実は金融政策を専攻したというシーゲル教授が、ミルトン・フリードマン門下生らしくリフレ政策の正当性を語った。
この発言から、私たちは1つ重要な事実を知ることができる。
それは、恐れるデフレの度合いである。
恐れているのは、3-4年で30%のCPI低下といった度合いのデフレなのだ。

日本でデフレという言葉はしばしば不景気と同義で使われている。
(この意味ならば当然《デフレとは悪》になる。)
本来デフレとはそこそこ大きな物価下落が継続することを指すから、ある意味、日本にはデフレはなかったとも言える。
1990年代、間違いなく資産デフレは存在したが、CPIの(狭義の)デフレは存在しなかったのだろう。
そうなると、ますます正しい処方箋が何なのかわからなくなってくる。

フリードマンの書籍からの推薦

シーゲル教授は、フリードマンの著書から推薦図書を尋ねられている。
教授は、800ページの大作『A Monetary History of the United States』からの抄出である『大収縮』を挙げている。

この本が言うのは、大恐慌は防ぐことができたはず、世界は変わっていたはず、ということ。
振り返って、ファシズムや・・・すべては、大恐慌の間に自由市場経済が失敗しもう直せないと感じられたために、奇妙で醜い頭をもたげたものだ。

単純なマネタリズム的考えがうまく行かないのは、過去の量的緩和が示している。
それは、シーゲル教授が予想したことでもある。
それをもってマネタリズムの有効性に疑問を呈する人も多い。
本当の解答は、財政支出をともなう今回の結果が示してくれるだろう。
ただ、有効か否かは別として、経済を何とか助けようとすることに初めからNoと言うべきではないのだろう。
ここが政策論議の難しいところだ。

卒業を迎える学生へのアドバイス

シーゲル教授は卒業を迎える学生へのアドバイスを尋ねられ、長く教職にある人らしい言葉を送っている。

自分が上手なことを選びなさい。・・・
あなたがなすべきと考えること、他の人があなたにすべきと考えることを選んではいけない。
気持ちはどこに向かうか。
自分が上手なところだ。
それこそ追うべき、選ぶべき分野だ。

社会人でも遅くない。
そう思わせる、シンプルだが含蓄のあるアドバイスだ。

投資家へのアドバイス

50年前に投資について知っていたらよかったと思うことを尋ねられると、教授は「すべて」と答えた。
いくつか、具体的なアイテムを挙げた後、投資家が陥りがちな落とし穴に話題が移った。
それは、マーケット・タイミングを試みてはいけないという大原則だ。
マーケット・タイミングの誘惑は、変化球のようにやってくるのだ。

たくさんの人が、自分はインデックスを買っているだけだから心配ないと言う。
しかし、インデックスを買うということは個別銘柄を選別していないということで、マーケット・タイミングに向かっているということだ。
結果、もっと悪くなっている。


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