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投資家が肝に銘じるべき3つのコト:ジェレミー・シーゲル
2021年12月17日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、いつものようにひとしきり強気予想を述べた後、珍しく本来の教授らしい、とても良い話をしている。


「最大の課題は間違いなくFRBがインフレの悪化を予防することだ。
長い間、2022年から言ってきたが、金融刺激策は過剰で、財政刺激策も過剰だ。」

シーゲル教授がバンク・オブ・アメリカによる「2022年見通し」のインタビューで、同年最大のマクロ経済の課題がインフレとの闘いになると答えた。

シーゲル教授はパンデミック対応の財政・金融政策について、当初から物価と資産価格の両方でインフレを引き起こすと警告・予想してきた。
これまでのところそれは的中している。
まず資産価格が反応し、その後に物価が上昇した。
FRBもようやくインフレ退治に真剣にならざるをえなくなっている。

FRBが真剣にインフレ退治に向き合うなら、市場は変調しないのか。
シーゲル教授は2022年について市場の織り込み程度なら問題ないと見ている。

「2、3、4回利上げしても高々1%だ。
4-5%の金利が正常という記憶のある老人からすれば、1%が特に企業にとって抑制的とは考えにくい。
それでもまだ公表されているインフレ率より低い。
企業の実質ベースの調達コストはまだマイナスだ。」

先日シーゲル教授は、FRBが2022年末までに最低2%の利上げを余儀なくされると予想している。
教授が言ったのでなければ誰も信じないようなビックリ予想だ。
その場合でも教授はまだ必ずしもネガティブではない。
イールドカーブが長短逆転し、長期金利が低位にとどまることで、FF金利引き上げの悪影響が低減されると見ているからだ。

前提を市場予想並みに戻そう。
2022年の利上げ幅が高々1%程度の場合、本当に株式市場は盤石なのか。

シーゲル教授は、全体で見れば米国株市場は割高でないという。
今後もしばらく経済・企業の利益は強く推移すると予想するからだ。
S&P 500は今後12か月の利益予想に対し22倍の株価がついているとし、これはむしろ低すぎる可能性があるという。
一方で、今後バリュエーションに対する見方に変化が起こる可能性があるとして、調整の可能性も指摘している。

セクター/ファクターについては従来通り

  • 利上げによりテクノロジー等の長デュレーションが比較的大きな悪影響を受ける。
  • 相対的にバリューが有利になる。
  • 特に、インカムやインフレ防御の需要から配当株が買われる。

と述べている。

最後にバンク・オブ・アメリカはとても良い質問をした。
根本的な投資に対する考え方を尋ねている。
長期投資を投資家に奨めるのをライフワークにしてきたシーゲル教授は3点をアドバイスした。

1つ目は幅広い分散を心掛けること。
「勝ち組は常に変わる。」
2つ目はパニックを起こしてはいけないこと。
「既定路線に乗り続けろ。」
そして、もう1つは日本人こそ正しく理解すべきコンセプトだった。

私は200年について研究してきたが、すべての歴史でみんなが得てきた最も強いプレミアムは、株式プレミアムと呼ばれるものだ。
株式がフィクストインカム資産、不動産より多く得てきたリターンのことだ。
それを心にとめておかないといけない。


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