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アスワス・ダモダラン 投資回収は簡単だが次に困難がやってくる:アスワス・ダモダラン

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授は、現在の米市場の状況を解説した上で、投資家がいったん市場から退出することのデメリットを指摘している。

「今の市場はほぼ完全にインフレの動向によって動かされている。
インフレは1.5%には戻らないだろうし、8%のままでもないだろう。
どこに落ち着くかわかるまで、市場は行ったり来たりするのだろう。」


ダモダラン教授がCNBCで、インフレ動向が市場の最大のドライバーになっていると話した。

ダモダラン教授は、最近公表した4つのシナリオに触れ、唯一ポジティブなのが「から騒ぎ」シナリオであると説明した。
同シナリオは、景気が悪化することなくインフレが2%目標に戻るとする、ハッピーエンドのシナリオだ。
それ以外の3シナリオでは、どのような株価指標も「新たな現実を反映させるため」調整を逃れられないという。
教授は「から騒ぎ」シナリオのの実現確率が小さくなっていると述べた。

「インフレを甘く見てはいけないし、FRBが制御する方法を見出すと仮定してもいけない。・・・
一たびインフレが高まれば、中央銀行は経済を後退させることなくインフレを制御することはできない。」

現在の市場の最大のドライバー、インフレの先行きの占い方を尋ねられると、ダモダラン教授は、市場に尋ねることを奨めている。

FRBの言うことを聞くより・・・米国債利回り、10年債利回り、30年債利回りを見るとよい。
それがこの先どうなるか教えてくれる。

米イールドカーブが織り込む将来の金利推移にインフレ期待が織り込まれているとの考えだ。
FRBの発言とはFRB高官の意思の入った発言だ。
イールドカーブに織り込まれたインフレ期待とは、お金を賭けて真剣勝負を行っている無数の市場参加者による投票結果だ。
ダモダラン教授は、後者の方が将来をよく予想していると考えているのだろう。

特に、FRBが後手に回った、インフレ動向を見誤ったと言われる昨今、市場をより重視するのは自然な流れだろう。
債券王ジェフリー・ガンドラックも最近、FF金利は2年債利回りを後追いしているだけ、と揶揄している。

投資家は様子見を決め込むべきなのか、と尋ねられ、ダモダラン教授は明確な答を返さなかった。
ただ、様子見のデメリットを語っている。

様子見をすることの問題は、再び投資するのがとても難しくなることだ。・・・
2010年に売却した人の多くは、次の10年市場に戻れなかった人も多い。
売却するなら、戻る条件を決めておくか、とても長い期間の現金保有を覚悟しなければいけない。

ダモダラン教授は2009年から始まった長い強気相場の2年目の出来事を紹介している。
「から騒ぎ」シナリオの確率は小さいとしながらも、意外に早く調整が終わる可能性も排除していないのかもしれない。


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