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アスワス・ダモダラン 投資もESGも選択の問題:アスワス・ダモダラン
2021年8月13日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授がいつものように様々なテーマについて辛口のコメントをしている。
含蓄のある言葉をいくつか紹介しよう。


投資とは常に選択肢を選ぶことだ。

ダモダラン教授がインドCNBCで、こう話した。
何の話かといえば、株式等リスク資産の価格が上昇した場合の投資家の対処法である。
足元の株価が高いと議論することはできるし、一理も二理もある議論だろう。
しかし、では株を売って何を買えというのか。

株式は割高に見えるが、それは何と比べての話か?
過去と比べて?
私は過去に戻ってトレードはできない。・・・
魅力的な別の投資先がなければ、持っていたら良かったものではなく、持っているものを私は持ち続ける。

これこそ現在の高い株価を支える相対価格の論理だ。
もちろんこれは静的な議論であり、いくつか前提のある話だろう。
しかし、それを理解する限り、ダモダラン教授の教えは健全な強気を維持させてくれる。

ダモダラン教授は最近特に金融当局への批判を強めている。
今回も世界中の中央銀行を「狂気」と批判している。
その「単純な理由」とは、教授の考える「狂気」の定義に基づくものだ。

狂気の定義とは、異なる結果を予想して同じことを何度も何度もやり続けることだ。

ダモダラン教授は、世界最強の中央銀行 FRBの能力について真実を語っている。
FRBが決めることができる金利はオーバーナイトの銀行の借入金利だけだとし、他のすべては人々の認識が引き起こしているにすぎないという。
つまり、人々の錯覚が自己実現しているのだ。
教授は以前からFRBをオズの魔法使いと呼んでいる。
人々が魔法の正体を知ってしまえば、魔法は効かなくなるという意味だ。
現在の世界では、中央銀行が危うい魔法で投資家を操っており、健全ではないという。

ダモダラン教授は、あいかわらずESG投資に対して否定的だ。
誰も反論できないような責め方で偽善を糾弾している。

「もしもあなたがESG投資をしていて、SUVを運転し、飛行機に乗り、エアコンの効いた大きな家に住んでいるなら、ESGの話をしないでほしい。
ひどい偽善だ。
何をやっているのかわかっているのだろうか?
消費者として、投資家として、不便がないよう誰か他の人に汚い仕事をやらせようとしているんだ。」

ダモダラン教授は、ESGにあまりにも多くのコンサルタント、銀行家、ポートフォリオ運用者が群がり、金儲けの種にしていると批判する。
教授はそれがESGだとは思っていない。
「人生はトレードオフがいっぱい」と述べ、ESGを実現したいなら代償を覚悟すべきと現実論を唱えている。

世界をよくしたいなら、高いリターンを得たりやりたいことをやれるのではなく、自分の側の犠牲を覚悟しなければいけない。
ESGはすばらしい概念であり、その後ろにみんな隠れている。
しかし、現実には、もしも本当に私たちが世界をよくしたいなら、個々の家庭から始めないといけない。


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