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ハワード・マークス 投資に向かない人が見落としている視点:ハワード・マークス
2021年9月16日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏が、価値と価格について語り、投資における価格の重要性を説いている。


バフェットの言葉で好きなものの1つが「価格は払うもの、価値は得るもの」というものだ。

マークス氏がThe Investor’s Podcast Networkで、お気に入りの昔話を披露した。
投資先の価格と価値、どちらが重要かという話であり、若かりし頃の同氏の実体験だ。

マークス氏は1968年にシティバンクに入社、証券運用の世界に入り、株式の証券分析を担当した。
当時の主要な株式投資家はマネーセンターバンクと呼ばれた主要行で、ほとんどがニフティフィフティと呼ばれていた優良銘柄に投資していた。
同氏は冷静に当時を回顧する。

「これらは米国において最良かつ急速に成長していた50社であり、とても優良であり、間違いが起こりえないと考えられていた。・・・
つまり、価格が高すぎることはありえないことを意味していた。・・・
これはバブルの最大の兆候の1つだ。」

すばらしい企業だから、割高にはなりえない。
高い価値のある企業だから、どんな価格でも高すぎることはない。
このように事実上、価格を度外視する姿勢が見られたら、それこそバブルの兆候との指摘だ。

マークス氏は、当時の顛末を紹介している。

「もしも1969年の9月にNifty Fiftyに投資し、5年間せっせと保有していたら、その米国で最良の企業群への投資のほぼすべてを失っていた。
なぜなら、みんな価格を無視していたからだ。・・・
答は、価格が重要だということ。
しかも投資期間が短いほど重要になる。」

この昔話が興味深いのは、話がここで終わらず、対照的な世界にまで及ぶ点だ。
マークス氏の人生は、同氏が得た教訓を体現するように展開する。
1970年代の証券不況は、多くの銀行に株式部門の縮小を迫った。
シティバンクも例外ではなく、1978年マークス氏は債券部門に転属になり、そこで萌芽期のハイイールド債に出会う。
同氏はディストレスト投資の草分けの1人となり、今日までの成功を築くこととなった。

今は米国で最悪の公開企業群に投資し、安全・堅実に儲けている。
米国で最良の企業群に投資していた時には危ない目にあった。
だから、私は、良い投資とは良いものを買うことではなく、何かをうまく買うことだと結論した。
この違いが理解できない人は、あまり投資しない方がいい。


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