投資

投資において何より大切なこと:レイ・ダリオ
2019年11月18日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、平均的投資家にとって最も大切なことを説明している。


どう分散すればいいかを知ることがほとんど他のすべてのことより重要であるのを人々は理解していない。

ダリオ氏がValuetainmentのインタビューで、平均的な投資家が陥りがちな罠について語っている。
同氏は投資をギャンブルに喩えて、その理由を説明する。

「世界は何かに対して考えを有しており、それが価格に反映されている。
だから、これが魅力的でこれは魅力的でないと考える時、それが正しかろうがあるまいが、私は全世界を向こうに回して賭けなければいけない。」

ダリオ氏は、価格には全世界の考えが反映しているものであるため、これに反して勝つのは難しいという。
自身は勝率がいいものの、それでも間違えることがあると話している。
こうした勝負が世界一の投資家にとっても難しいものであることを平均的な投資家はわかっていないのだという。

平均的な人たちはあまりにもたくさんの人の話を聞きすぎてしまい、とても難しいゼロサムゲームに突き進んでしまうことがある。
コンセンサスに反する賭けをし、そして当たってしまう。
そして、投資家は『市場に参加して、金儲けする』と言い出す。

ダリオ氏は、ビギナーズ・ラックによって破滅への道を歩き出す投資家のことを心配する。
こうした人たちは、競馬でいえばオッズのことをすっかり忘れているのだ。
今回の勝ちは本当に勝ちなのか、それを考えないといけない。
オッズとは確率を反映したものであり、投資で言えばリスク-リターンに対応した概念だ。

「私や、1,500人の従業員と数億ドルの資金をゲームで勝つために投じている人たちにあなたが勝つのは容易ではない。
私も、たくさんの人がいて、それが手ごわく難しいことを知った。
・・・
市場で成功することはオリンピックで成功するより難しい。」

ダリオ氏は、平均的投資家であっても投資をする時には、トップの投資家を含む全世界を相手に賭けをしていると認識しなければいけないというのだ。
宝くじとは異なり、勝者総取りの傾向がある投資の世界において、平均的投資家が生き残る道は何か。

あなたは分散ならできる。
誰もでも分散はできる。
・・・
私がやれる唯一のことは、私の賭けを分散するといういことだ。
どの投資にも集中したくない。

ダリオ氏はここで、著書『プリンシプルズ』で数ページほどで説明した、極めて基本的な原則を持ち出す。
同氏は、分散投資によって(リスク調整後期待)リターンを減らすことなくリスクを低減することができると説明した。

ここで初心者向けに解説すると《期待リターン》とは将来予想されるリターンの平均値と考えればいい。
これに対して《リスク》とは期待リターンの上下に起こりうるばらつきのことだ。
《リスク調整後期待リターン》は効率的な市場ではどの投資でも同一となる。
複数の投資を行った場合、元のリスク調整後期待リターンは同じで、ポートフォリオのそれも変わらない。
しかし、元の投資のリターンが完全相関でない限り、リスクは低減する。

ダリオ氏は、ブリッジウォーターのヘッジ・ファンドとしての能力を暗示するような数字を明かしている。

リターン対リスク比率を5倍に改善できる。
分散することで・・・分散のやり方を知ることで、リターンはそのままでリスクを1/5にできる。

通常、買い持ちだけの分散ポートフォリオでリターン対リスク比率を改善できるのはルート2倍までだ。
ダリオ氏は、さまざまな資産クラスをロングしたりショートしたりすることで5倍という極めて高い数字を実現しているのだろう。
もっとも、多くのヘッジ・ファンドもヘッジしているというが、結果的にそうならないこともあるので要注意だ。

分散投資についてはさまざまな意見がある。
オマハの賢人 ウォーレン・バフェット氏は、自らの投資について集中投資を徹底していた。
自分が一番いいと思うものに投資する同氏にとっては、分散投資は一番いいチャンスを逃す行動のように思われるからだ。
しかし、そのバフェット氏にしても、平均的投資家に対してはインデックス投資を奨めている。
集中投資で持続的に成功するのは、卓越した投資の能力が必要なのだ。

一番大切なものが分散と聞いて、インタビュアーはがっかりしたようだ。
しかし、ダリオ氏は力説した。

私が人々に受け継いでほしいのは限られた数のプリンシプルズ(原則)だ。
そのプリンシプルズが極めて重要と思うからだ。
分散は退屈なものじゃない。


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