投資

悪質な配管工の手口:アスワス・ダモダラン
2020年6月1日

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授のET NOWインタビュー第3弾: アクティブ・ファンドへの厳しい批判を展開している。


ジャック・ボーグル、言うまでもなくバンガード、インデックス・ファンド事業の創始者だ。
ジャック・ボーグルは、ウォーレン・バフェットが10回の人生で人々のために生み出すお金より多く節約した、と私は話している。

ダモダラン教授が、影響を受けた人物は誰かと問われ、ボーグル氏の名を挙げた。
投資ノウハウを持たない庶民にまで遜色のない投資機会を提供したボーグル氏の功績は高く評価されている。
教授に比較の対象にされてしまったバフェット氏にしても、一般投資家にはインデックス投資を奨めることが多く、ボーグル氏を「ヒーロー」と呼んだこともある。
アカデミズムにおける株価の最高権威 ロバート・シラー教授は「パッシブ運用はただ乗りの擬似科学」とこき下ろしたことがあるが、それでもボーグル氏逝去に際し同氏への尊敬の気持ちを表している。
これら敬意の理由とは、多くの人の堅実な資産形成を大きく助けた点にある。

私たちは、人に株を買えという人を誉めそやす。
何もしないのに毎年2%ミューチュアル・ファンドの運用者に払うのはお金の無駄だ、と言う人を誉めない。

ダモダラン氏は、株式市場をめぐる人々の考え方の歪みを指摘する。

株式投資に向き合う時、とかく人々の関心は上がって儲かることに向いてしまう。
預金・債券と異なり、アップサイドがあるからだ。
分散より個別銘柄、しかも値動きのいい銘柄に目を奪われる人が出てくる。

ダモダラン教授は(投機でなく)投資の目的を見誤ってはいけないと諭す。

投資とは金儲けではない。
貯蓄や富を保蔵し成長させることだ。

他に職業を持っているなら、金儲けはそちらでやりなさいとダモダラン教授は話す。
インデックス・ファンドとは良かれ悪かれ市場と同等のパフォーマンスを上げるものと説明し、金儲けでないのなら、それでも十分なはずと説く。
平均的なアクティブ・ファンドの年パフォーマンスが市場より2%ポイントほど劣るものだからだ。

ダモダラン教授は資産運用業を「奇妙な職業」と話す。
とりわけアクティブ・ファンドについて、従前から批判を続けてきた。
教授は、アクティブ・ファンドの仕事を配管工、資産運用に困っている投資家を水漏れで困っている住人に喩える。

家で水漏れがあり、水漏れを放置し、水漏れを作ったことに対し手数料を請求する。
インデックス・ファンドは、多くのアクティブ投資の空虚さを暴いたが、それは良いことだ。

暴いた張本人が「最初の破壊者」ジャック・ボーグル氏だったのだ。


-投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。