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グッゲンハイム スコット・マイナード 必ず審判の日は来る:スコット・マイナード
2020年7月18日

グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏のBloombergインタビュー後半: 金融政策と企業債務バブルに対する危機感が述べられている。


12月の時点で、すでに企業債務がバブルの状態にあったのは、どの指標からも明らかだった。
債務総額対GDPでも、債務対フリーキャッシュフローでも米企業がこれほどレバレッジを高めたことはなかった。
12月でもそうだったのに、その後(の半年で)昨年の発行総額より多い1.5兆ドルの企業債務が発行された。

マイナード氏が、膨張を続ける企業債務バブルへの危機感をあらためて示した。
企業債務の拡大については、マイナード氏だけでなく、多くの識者が数年前から危うさを指摘してきた。
リーマン危機後長く続いた金融緩和が一因だったことはいうまでもない。

コロナ・ショックでは、この企業債務市場が一時機能不全に陥っている。
危険と見られていた市場だから、ショックで凍り付くのも当然といえば当然だった。
状況を改善するため、FRBは投資適格社債のみでなく、フォールンエンジェルまで買入れる決断をした。
これにより同市場の機能は回復した。
それどころか、バブルはさらに大きく膨らんだ。
市場は息を吹き返し、金利は低下した。
借入能力を残す企業が一斉に資金調達に走ったのだ。
投資家も今のところついてきている。
何かあったらFRBが買入れてくれるのだから、リスクはさほど大きくないと見る人も多いのだろう。

多くの企業が返済すべき時にさらに借りたことで、より脆弱になった。・・・
最終的には何らかの厳しい反転が起こるのだろう。
デフォルトによる外科手術であり、債務を減らす一法がデフォルトだ。

マイナード氏は以前からFRBの市場救済策が引き起こすモラル・ハザードを心配してきた。
企業の投資家、つまり株主や債権者は、投資のリスクをとってリターンを得てきた。
その企業が傾けば、投資家がペナルティーを受けるのが資本主義のルールだ。
デフォルトなど、そうしたプロセスは、システムから過剰な債務を減らす自浄作用でもある。
FRBの市場救済策は、善意からその重要な機能を麻痺させてしまった。

しかも、その政策の果実は必ずしも十分でないようだ。

「この人為的な刺激が政府や金融政策により生み出されたことで、短期的には資産価格を持ち上げている。
アメリカ人の雇用のほとんどが存在するメインストリートや小企業を見ると、事業継続を支え、これら企業のキャッシュフロー成長を支えるようなペースでは実体経済は改善していない。」

金融刺激策は、その性質上、金融市場に強い即時の効果を及ぼす。
投資家は大喜びだ。
一方、実体経済への効果は間接的で控えめだ。
これが、経済と市場の乖離を大きくしてしまう。
バブルもその一類型だろう。
そして、この乖離がいつまでもは維持できないと考える人が多い。

それが明日なのか3年後なのかはわからないが、審判の日は来る。
しかし、当面の間は、金融政策はリスク資産の価格を押し上げるのに十分なほど緩和的なままだ。


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