強気継続、為替・インフレは現状維持:バイロン・ウィーン

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、ほどほどの強気予想を継続した。
同氏は年初、市場が弱気一色に触れる中でも、強気相場継続を予想した数少ない1人だ。


金融市場にとってファンダメンタルズが有利な状態となっている。
企業収益と金利が重要な要因になるとの見方を継続する。

ウィーン氏が5月の市場コメンタリーで、強さを保つファンダメンタルズを主たる理由として強気予想を継続した。
同氏がいつも使ってきた配当割引モデルによると、S&P 500は3,000を超えてもおかしくない状況なのだという。
一方、ウィーン氏は従来から、同モデルが金利に対して高い感度を持っていることも認めている。
そこで、他の評価法で見ると、S&Pは目いっぱいの水準にあるのだという。

ウィーン氏の分析は続く。

「低金利が極めて高い株式リスク・プレミアムにつながっている。」

金利は下がったが、投資家が株式に求めるリターンは大して下がっていない。
結果、株式リターンとリスクフリー金利の差である株式リスク・プレミアムが大きくなっている。
大きな株式リスク・プレミアムはいうまでもなく株価の下押し圧力だ。

「しかし、益回りは米10年債利回りをゆうに超えている。」

確かに求める株式リスク・プレミアムは大きい。
しかし、裏を返せば、株式の期待リターンがリスクフリー金利をかなり上回っていることになる。
同様に企業利益を株価で除した益回りも相対的にかなり高い。
投資家が長期国債と株式を極めて単純に比較するなら、株が買われてもおかしくない。
つまり、株価水準についてはまちまちの要因となっている。


これら要因を勘案し、現在先進国市場全体でのチャンスは限られていると結論する。
しかし、急速な調整の可能性は常にあるものの、近いうちに弱気相場となる可能性は小さい。

そして、この予想の前提となるのが「企業収益と金利が重要な要因」であることなのだ。

ウィーン氏は米ドル相場とインフレの動向についても言及している。
このところ対主要国通貨で横ばいを続ける米ドルについては、年内、現状が継続すると予想している。
根拠は、海外からの資金流入のドライバーが見られないためだ。

「FRBがこれ以上引き締めるとは考えにくい。
米経済は拡大を続けるがスピードは緩やかだ。
稼働率は80%と供給能力の余力が大きく、新工場建設や追加設備購入のために海外資本を必要とはしていない。
株式市場はもはや割安でなく、金利は低い。」

インフレについては、ウィーン氏は率直に意外な展開となっている点を認めている。

「現在の経済の枠組みのうち最も重要で理解しがたいことは、低水準にあるインフレだ。
強い経済成長、増大する財政赤字、低い失業率、拡張的な金融政策から、ほぼすべての経済学者はインフレと金利の上昇を予想していた。
しかし、彼ら(そして私たち)は間違えた。」

ウィーン氏は通常、グローバリゼーションや技術革新がインフレの阻害要因になりうると指摘し、農業技術の進歩や水圧破砕法によるシェール開発が食糧・エネルギーの価格を押し下げた可能性を指摘している。
では、低インフレという読み違いはいいことなのか、悪いことなのか。

私たちは低インフレが継続しそれが金融市場に明らかなプラスになるものと予想する。

米経済は低すぎず高すぎないインフレを享受しているようだ。


 - 投資 , ,