引退を迎える人へのアドバイス:ジム・ロジャーズ

ジム・ロジャーズ氏のIn Gold We Trust 2019 Reportインタビュー第2弾。
今最も楽観している農業分野と低金利時代の投資について語っている。


私は落ち込んでいるという理由で農業について楽観している。

ロジャーズ氏が逆張り投資家らしい観点で農業分野への関心を語っている。
現時点で、他の何よりも楽観している投資分野だという。
なぜ楽観するのか。
それはすでに底近くにあるからなのだ。

「悪夢だ!
米国の農民の平均年齢は58歳。
多くのアメリカ人が農業でなく広報の勉強をしている。
日本の農民の平均年齢は66歳だ。
英国で最も自殺率の高い産業は農業だ。
インドでは過去数十年、数百万人の農民が自殺した。」

ロジャーズ氏は、世界の農業が悲惨な状況にあるとし、他も挙げれば枚挙にいとまがないと話す。
そして、この大底だからこそ同氏は農業に強気なのだ。

「禍がある時はしばしばチャンスもある。
農民になる方法、農産品コモディティについて勉強するよう奨めたい。」

ロジャーズ氏が農業分野への関心を話し始めてもうだいぶたつ。
ロシアの農薬会社の役員に就任するほどの入れ込みようだ。
確かに農業は社会にとって最も重要な産業の1つ。
説得力のあるストーリーだが、残念なことに今のところ大きく実を結んだ様子はない。
いつか大きく身を結ぶのか、永遠の出遅れ分野となるのか、興味深いところだ。

ロジャーズ氏は、引退する友人・家族にアドバイスするなら、と尋ねられて、とても慎重な答を返している。
長く超低金利が続く中、落とし穴にはまらないよう注意を促している。


よくよく注意しなさい。
多くの人が今、利回りを追い求めている。
高利回りは高リスクを意味しているのに、不幸なことに多くの人がそれを理解していない。
誰かが6%の利子をくれると言ったら、たぶん知らん顔すべきなんだ。

金融緩和はもちろん善意から始まったことだ。
しかし、様々な意図せざる副作用をもたらした。
その1つが詐欺、あるいは詐欺的なセールスだ。

ロジャーズ氏は、自身の投資先もまた厳しい吟味の末にGoを出していると明かしている。

「仮にあなたが自分のやっていることをわかっているのなら(私は自分のやっていることをわかっているかどうかわからない)、例えばロシアの債券を保有していい。
同債券は高利回りだが、私はとても慎重に購入している。
盲目的に利回りを追う過ちを犯してはいけない。
さもないとすべてを失ってしまう。」

ロシアはロジャーズ氏のお気に入りの地域だ。
いつか制裁が解けて大化けするともくろんでいる。
そのロシアでさえもちろん何でもいいというわけではない。

「簡単な答はない。
(投資を)減らして少ないリターンを甘受するというのが解なのだろうが、誰も望まない。」

低金利は高齢者の心理を圧迫している。
引退後は年金と金利収入で暮らそうと考えていた人たちから金利収入が奪われた。
もちろん低インフレの時代だから元本を上手に取り崩していけばいいのだが、それは頭の良すぎる人の言い訳だ。
多くの庶民は、元本を崩していくことに恐怖感を覚えている。
そして、残念なことに詐欺やハイ・リスク/ハイ・リターンの罠にはまってしまうのだ。
こうした問題は往々にして景気後退・市場下落とともに表面化する。

問題が起こり、今後数年はすべての人にとってあまり良くない時期になるだろう。
金利は上昇するが、しばらく時間がかかる。
真実ならば良すぎることは真実じゃないから、気をつけろ。


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